小説 | ナノ
クリスマスはサンタと一緒に 05


ゆっくりと、ルタが腰を打ち付け始めた。俺を気遣うように見つめてくるその綺麗な表情に胸が熱くなる。

「はっ、ん……ルタ、俺なら、ぁっ、大丈夫だから……。もっと、激しく、してっ……」

快感で霞が掛かったみたいな頭でそう言うと、内部のルタの自身がドクリと震えた。

「マジで、良いのか?俺もそんな余裕ねぇし……優しく、出来ねぇかも」

「ん、ぅっ、ルタなら、何したって…んっ、良いから」

そう本当に思った。行為中のルタはとても優しくて、気遣ってくれて。冗談じゃなく本気で俺に愛をくれようとしているんだということが伝わってきた。そんな彼の心を、俺も出来る限り受け止めたかった。

俺と視線を合わせながら彼は細く長い息を吐いて。後悔するなよ、と顔を伏せてただ一言告げた。再び俺の腰を掴むと、ルタは激しい律動を始めた。ガクガクと身体が揺さぶられる。

「やばっ……!ふっんんっ、や、奥っ……奥、当たって……!ああぁっ、あああっ!」

さっきまでのルタは随分と俺のことを気遣って我慢してくれていたらしい。あまりに強い突き上げに何度も脳内で火花が散る。
奥をガツガツと打ち付けられても痛みはなく、狂暴なまでの快楽だけがそこにあった。

「ふっ……!ぁんっ、あぁあぁっ、はっ、すごっ、きてるっ……!はげ、しっ、ああんぁっ、も、あっあっ」

まともに言葉が話せない。口を開けば欲にまみれた嬌声ばかりが出てくる。何かすがり付く物が欲しくて、考えるまでもなくルタの背中に両腕を回した。
見た目以上に逞しいその身体を直接感じてしまうと、昂りは更に抑えきれない物へとなっていく。

「あぁぁっ、んん、ルタ……!はっ、すごくっ、イイ……ああっ、ふぁっあぁっ!やっ、それっ……んああっ!」

「かわいい、恭也っ……。もっと感じて、そのエロい顔見せて」

恥ずかしい、という感情がなかった訳ではないけれど。ルタの獣のように獰猛で欲望を真っ直ぐに伝えてくる目だとか。彼が動く度に鼻腔を擽るトワレの柔らかな香りだとか。
何もかもが、ビリビリと全身を痺れさせる。甘く麻痺した脳内では、ルタと俺しか意識の中にはなかった。

ふと律動を繰り返していたルタの動きが変化した。奥深くまで彼自身を収めたまま、まるで探るような動きへと。ぐりぐりと腰を動かして内壁を擦る。その先端が何かに触れた、と思った瞬間。

「っ、あああぁっ!んんんっ、あぁっ、はっ、なに、それっ……!や、もう、あぁぁあっ!」

盛大に身体が跳ねた。内部からダイレクトに脳まで届く、あまりに気持ち良すぎて暴力的でさえある快感が襲う。

「ここかっ……はっ、すっげぇ締め付け……!」

ルタの表情と口調も切羽詰まってきていて、彼も限界が近いのだと知る。原因は俺かルタかそれとも両方か、結合部からはぬちゃぬちゃと卑猥な水音が立っていた。
ルタの腰の動きが速まって、俺の弱いところを激しく打ち付ける。

「んんっ、あっあっああぁっ!だめっ、そこはっ……ああぁっ!そんな、はげしっ、うあぁっ、んっあっやあっあぁっ!」

「恭也っ、かわいい、恭也……!ずっとこうしたかった、好きだ、恭也っ……!」

全身が跳ねるのが止められない。頭の中がチカチカする。もう何もかもがどうでもよくなって、ただルタの身体を貪った。
好きだ、なんて。余裕がないだろうこんなときでも俺に愛をくれようとするルタが、本当に愛しくて。ルタにもっと俺を感じて欲しくて、俺も彼自身を感じたくて、必死にナカを締め付けた。

「ル、タ……っ!もっとっ、ああぁっ、俺を感じてっ……!んああっ、はぁっ、すごくイイ……っ、あっあっんあっうあぁっ!」

ルタは俺の名前を繰り返しながら、かわいい、好きだ、と何度も言って。俺の弱点を狙って押し込みながら、力強くて速い動きで腰を打ち付けた。もう、限界だった。

「っああぁっ、ルタっ、ルタっ!も、俺っんあああぁっ、もうむり……っ!あっあっんっ、あぁっもうイくっ、はっ、イっちゃう……あぁっ!」

腰にずくずくと熱が溜まる。熱が高まっていく。全ての意識が下腹部のその一点に集中して。ずっと塞き止められてきた快感が、弾けた。

「あっんあっあっ、あああぁぁぁぁっ!!はっ、んっ……!や、気持ちイイの、止まらないっ!あぁあっ……っ!」

前には触れられずに本当に後ろだけでイったからだろうか。俺自身からはいつものように飛び出すのではなく、とろとろと漏れ出るように精液が溢れてきて。
感じたことのない、長く続く絶頂感に襲われていた。そうして気付けば、ナカをぎゅうぎゅうと締め付けていたらしい。

「はっ、俺も、もうっ……!」

そんな切なげな声と共に内部のルタ自身が引き抜かれ、腹の上に白濁液が降ってきた。生暖かくてねばねばしていて、独特の匂いをしたそれ。ナカに欲しかった、なんて思ってしまっている自分がいた。

初めての感覚で達した余韻で、息が未だに整わない。浅く呼吸を繰り返しながら視線を上げると、俺を見つめていたらしいルタと目が合った。
その青い目は、まだ欲望を孕んでいて。ルタ自身がいなくなって寂しくなった後ろが、ヒクヒクと反応した。夜はまだ、終わりそうになかった。

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