小説 | ナノ
クリスマスはサンタと一緒に 04


「……まだ、お預け」

絶頂を塞き止めた本人、ルタは人差し指を口に当てて。妖艶に唇を吊り上げた。
俺を見つめる甘さと欲の混じった青い目に心臓が高鳴りぞくぞくするけれど、イけない今の状況ではその感覚も辛いだけだ。

「なん、でっ……イきたい、イかせてっ……!」

必死に彼の身体にすがり付く。それでもルタは笑みを崩さないまま、ふと空中で手を振った。次の瞬間には彼の手には小さなボトルが握られていた。

とろとろとした中のそれを自分の指に垂らして。彼は俺の両足を更に上げさせた。そして後ろの固く閉じた場所へと触れる。

「せっかくだから、こっちでイってみて」

そんな無茶な要求と共に、ぬるぬるした冷たい指が後ろの孔へと潜り込んできた。
友達から聞いたことがある。男同士でもセックスは出来るし、その場合は肛門を使うのだと。想像できない、なんて感想をそのときは持ったのに。こうやって自分自身で体験してみるとは夢にも思わなかった。

排泄に使うべき場所に物が入っていると言う異物感。侵入してきた指は内部を探るように少しずつ奥へと進んでいくけれど、俺のそこは侵入者を押し出そうとする。

「……やっぱりなかなかキツいな」

一人言のように呟くと、ルタは不意に俺の昂った中心を握り込んできた。決してイかせないように柔らかく撫でながら、ゆるゆると左右に振る。

「はっ、ちょ、ルタっ……!」

感じきったそこはいとも簡単に、快楽を再び俺の頭へと送り込む。あまりに優しい刺激にぐずぐずと身体が溶けてしまいそうで、ただシーツを握り締めた。

「ほら、こうすれば入る。こうやってちんこ弄るとさ……恭也のナカがヒクヒクして誘ってくるんだよ」

「ふっ、ん、誘ってなんか……!」

咄嗟に否定をするけれど、気付けばルタの人指し指はそこに完全に収まっていた。中を確かめるようにぐるぐると指を動かされる。そして間を置かずに入れられる二本目の指。

「こんなに美味そうにくわえ込んでるのに誘ってないっつーの?」

ローションによって滑りやすくなった指はあっさりと俺の後孔に入ってきた。指をバラバラに動かされて内部を刺激されると、異物感だけではない何かの感覚が這い上がってきた。
奥からざわざわ込み上げてくる、何とも言えない感覚。舌が喉に張り付いて上手く言葉が出てこなくて、ただ首を振った。

ルタは俺自身を弄りながら指を入れていくことに決めたらしい。ゆるゆるとした愛撫を続けながら、三本目の薬指がやってきた。ナカを押し広げるようにして侵入してくる指。その感覚は、決して嫌じゃない。
内部に収まりきっている二本の指でそこを突き上げながら三本目を押し込まれると、思わず声が漏れた。

「ふっ、んんっ……!あっ……!」

そんな俺を見てルタは楽しげに笑って。ぐいぐいと薬指を押し進めようとする。痛みはなかった。あるのは、じわじわと俺の身体を満たしつつある快楽。
自身を軽く刺激されながら指を進められていくと、やがて俺のそこは三本を完全に飲み込んでしまった。

「もしかして、恭也って素質あるんじゃねぇの?」

「そんなっ……ぅんっ、はっ、ああぁっ、んんっあぁっ……!」

否定しようとした矢先、内部の指達が激しく動き始めた。それぞれの指を動かしながら抜き差しを繰り返し、時折奥を勢いをつけて突き上げる。
やばいっ、これ、気持ち良い……!
何も考えられなくなるかのようなその刺激を、ただ素直に受け取っていた。

脳で白い物が弾ける中、ルタは片手で器用に自分の赤い服の前を寛げた。取り出されたそれは、腹につくんじゃないかと思うほどに勃ちきっていて。その大きさと、先走りで濡れて光る厭らしさに息が詰まった。

「俺も、そろそろ限界……。もう、良いよな?」

そう言いながら指を全て引き抜き、代わりにルタ自身を押し当てる。血管を浮かび上がらせながらドクドクと生々しく脈打つそれは、俺のナカに入るとは到底思えなかった。
それでも、さっき受けた快感が忘れられなくて。指よりももっと太くて長くて固いものが欲しくて、考える前に頷いていた。

ぐっ、と腰を押さえられる。そして少しずつ、ルタのそれが俺の内部へと入ってきた。ずるずると埋め込まれていくそれが与えてくる圧迫感はあまりに大きくて、上手く呼吸が出来なかった。

「ル、タっ……!それっ、でかすぎるって……!」

「大丈夫、入るから。力抜けよ」

首を振って訴えてもルタは聞く耳を持たなくて。力を抜けと言われても、この圧迫感と痛みの前ではとても無理だ。そう告げようとしたとき、不意に胸に手が当てられた。
指の腹で円を描くようにしつつも、強く突起を押し潰し始める。断続的にそこを爪に引っ掛けられてしまうと、無意識に腰がびくりと反応する。

指の動きは続けたまま、ルタが顔を近づけてきた。ぺろりと俺の唇を舐めた後、深く口づける。唇を割り開いてきたそれに俺も応えて、舌同士を触れ合わせる。強く絡ませ合い唾液を交換すると、蕩けてしまいそうなほどに気持ち良くて。ゆっくりと目を閉じた。

さっきからルタが腰を押し進めているのには気付いていたけれど、最初ほどの圧迫感や苦しみはもう感じていなかった。むしろ内部を広げるその感触は緩やかな快感さえも伝えていた。そうしてやや経った後、

「……分かる?全部入ったの。今の間ずっとナカが誘うみたいに動いてて……すっげぇやらしかった……」

耳元で低く、それでいてうっとりとルタが囁いた。その言葉に瞼を開けて様子を窺ってみると……俺の後ろの孔が、ルタのそれをぐっぽりとくわえ込んでいた。
まるで自分の身体じゃないみたいで。エロすぎるその光景にぐらりと視界が揺れた。

「繋がってるの見て興奮しちまった?今きゅんきゅん締め付けてきた……はっ、キッツ……」

ルタの低い声が少し掠れていて、切なげに、それでいて嬉しそうに言う。やや眉を寄せた表情がまた壮絶に色っぽい。
俺のナカに埋め込まれた彼自身も時折脈動に合わせて大きくなって。そうしてまた、無意識のうちに締め付けてしまう。

……ナカがルタの形を覚えてしまいそうだ、なんてふと思った。

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