小説 | ナノ
クリスマスはサンタと一緒に 03


……で、何故こうなっているのか。

「本気で言ってんの?」

「そりゃあ本気も本気、超本気」

恐る恐る尋ねてみたら、彼は真面目なことこの上ない声色で頷いた。サンタ(先程名乗られたがルタというらしい)が俺をベッドの上で組み敷いている。それが今の状況。

ルタ曰く。究極の愛の行為とは身体を繋げることで。つまりヤってみることで、最大の愛をプレゼントしてやると。そういうことらしい。……いやいや、おかしくないか?

「確かに愛が欲しいとは言ったけど……こういうのは、違うんじゃないか?」

「分かった分かった。大丈夫だから、な?」

全然分かってない!ルタは俺の両手首を頭上で一纏めにして、自分の手で器用に押さえ付ける。
もう片方の手を使って俺の服のボタンを外し始めた。ぷつぷつと軽い音と共に露になっていく肌。それをうっとりと見つめたかと思うと、その大きな掌で撫で回してくる。

「いや、ちょっとマジでこういうのは……!」

男同士のそういった行為にも偏見はないけれど、自分がされるとなれば話は別だ。

その手から逃れようと身動ぎをしていたら、黙れと言わんばかりに口を塞がれた。ルタの唇で。抵抗する間もなく生暖かい舌が潜り込んでくる。
歯を一つずつなぞり、頬を舌先で緩く擽った。上顎を数度擦った直後に俺の舌を掬い上げる。痛いくらい強く吸い上げながら舌同士を激しく擦り合わせられると、敏感な感覚器官はそれだけで快感を脳内へと送り込む。

舌が甘く痺れて頭がくらりと揺れるほどの、濃厚なキス。

……こいつ、物凄くキスが上手くないか……?

ようやく唇が離されてから必死に酸素を貪って。胸を上下させながらルタを見上げると彼の喉が鳴った。

「……も、無理。ずっと我慢してきたんだからな。俺にだってクリスマスプレゼントくれても良いんじゃねぇの?」

お前サンタだろ、なんて呟きは再び胸の上を這い回る手に阻まれた。ボタンを全て外し切ってシャツを取り去り、完全に俺の上半身を露出させた。そして妙に熱い視線を注ぐ。

「綺麗なピンク色してる。かわいー……。じゃ、頂きまーす」

そう言ってへらりと笑い、ルタは不意に乳首へと口づけた。リップ音を立ててから、それをくわえる。唇に乳首を挟んで転がしながら、舌先で頂点をつついてくる。

「や、ちょ、マジでやめろって……!ふっ、ん……!」

れろれろと全体で舐め上げたり、舌先だけで押し込むようにぐりぐりと擦ったり。こんなに色々な愛撫の仕方があったのかと場違いな感想を持った。

舌での刺激は止めないまま、ルタは手でもう片方の乳首を弄り始めた。親指と人差し指でつまむようにして転がし、時折爪で軽く引っ掻く動きを加える。

「はっ、も、やめろって言ってるだろ……!うぁっ、ん、あぁ……!」

抵抗しようと身体を動かすけれど、胸からの刺激があまりに気持ち良くて全く力が入らない。
乳首なんて女性が赤ん坊に母乳をあげる為にあって、男には全く必要のない物だって思っていたのに。まさかこんなに敏感な性感帯だったなんて。

「やめろって言う割りにこんな固くなってるけど?」

芯を持ってることを示すように指で乳首を強めに挟む。そしてぐにぐにと押し潰すように弄ばれてしまうともうたまらなくて。

「や、あっ!ぅん、っ、そこ……!っあ、んっ!」

今まで出したこともないような喘ぎ声が止まらない。俺の手首を押さえ付けていた彼の手はいつの間にか離れてたけれど、 もう身体は素直に快感を求めてしまっていた。

「……恭也さ、先っぽを舌でつんつんされたり爪でかりかりされたりするの好きだろ」

俺自身も気付かない弱点を、ルタはすぐに見付けてしまったらしい。擬音付きで言われたその響きが何だかエロくてざわざわと背筋を粟立たせる俺をよそに、彼はそう告げるや否やその通りに乳首を苛め始めた。

「んんっ!あぁっ、だめ、それ……!ふっ、ああぁっ、も、きもちいいっ……!」

つんつん、かりかりと。ただ与えられ続ける快感に、頭の中が真っ白になる。胸への刺激だけで怖いほどに感じてしまい、熱は一点へと集中して張りつめていた。

「な、こっちさ。辛くねぇ?」

散々苛めた乳首から唇を離して、視線を合わせながらルタが俺の下半身へと手を伸ばす。そこはもう完全に勃ちきってしまっていて、更なる刺激を待っていた。
緩く撫でるように上下にさすられて、つい期待でいっぱいになってしまう。彼を見つめると、ルタは熱い吐息を漏らした。

「……すっげぇ、触って欲しそうなやらしい顔してる」

欲情を隠そうともしない、低く艶っぽい声。そんな物を聞いてしまい腰に重く鈍い熱が溜まる。
彼の手がベルトに掛かり、手早くそれを外してから下着と共にズボンをずり下ろされた。勃ちきったそれに一瞬下着が引っ掛かったけれど無理矢理下ろされ、勢いよく自身が飛び出る。
そして途端に心許なくなった両足の膝を立たせながら割り開いた。ルタの目の前に俺の下半身が晒される。

「……見える?まだ触ったりしてねぇのにこんなにドロドロ。超エロい……」

どこか恍惚とした表情で言うルタ。思わずその視線につられて下半身へと目をやると、そこにはこぷりこぷりと鈴口からカウパーを漏らす俺自身があった。
こうして見ている間にも新しい先走りが溢れてきて、てらてらとそこを光らせる。ここまで反り返って刺激を求めているのは初めて見た。
長年見慣れてきた自分の物なはずなのに、今のそれは何故だか全く違う物に見えて。思わず息を飲んだ。

つい自分自身のそれに見入っていると、不意にルタの人差し指がカウパーを掬い上げた。指にたっぷり液体を纏わせ、それを塗りつけるかのように根本から先端までをしごく。
一度ルタの手が動いただけで、ビリビリとした快感が背中を走り抜けた。

「……ああっ、ルタ……!んっ、や、俺、やばっ……ああぁっんぅっ」

自慰をしたことは数えきれないくらいにある。同じような動きで刺激したことだって何度も。
でも、ルタが与えてくる気持ち良さは今まで全く感じたことのないもので。開きっぱなしの口からはただ喘ぎしか出てこない。

「どこがやばいのか言ってみて」

竿を数度擦り上げたかと思うと、彼の指がその先端へと移動した。他の指で俺のそれを握り込むようにしながら、親指で鈴口をぐりぐりと刺激してくる。

「はっ……んんん!それっ、その、先っぽぐりぐりっ……ああぁっ、やばいっ……!んんっ、やだ、あぁっ!」

「……やだ、じゃなくてイイ、だろ?」

親指のスピードが更に早まった。先走りにまみれたルタの指が動く度にぐちゅぐちゅと卑猥な音が立って、俺の耳までも犯す。
こんな音が、俺のちんこから……そう思うだけで熱はどんどん高まっていく。それを知ってか知らずか、彼は両手で俺のそれを弄り始めた。
片手は竿を擦るように上下させ、もう片手は変わらず鈴口をぐりぐりさせながらたまに指先を押し込んでくる。次々送り込まれる快感にビクビクと肩が跳ねた。

「ああぁぁっ、ルタっ……!んっ、きもち、よすぎてっ……!んんっあぁあっ、ん、もう、出るっ、や、ああぁ!」

身体中の熱が全て一点へと集まっていく。腰が痺れたようになって脳で何度も電気が弾け、自身がぶるぶると震える。この感覚には覚えがある。登り詰めていく。出る……!

そうして身構えた途端、愛撫が止んだ。ルタの両手が離される。どうしてだ……?もう少しでイけたのに。
達するまでのほんの僅かな刺激、それがまだ足りない。精液をギリギリのところで出し損なったそれは切なく左右に震え、カウパーを更にだらだらと垂れ流していた。

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