▽ 「appraisal」
※会話文のみ。現パロ。
「見せてみ」
「やだ」
「見ないとわかんないって。貸して」
「絶対だめ」
「…………」
「なにその目」
「英梨ちゃん、なんかやましいところあるんでしょ」
「そそそそんなことはないのだぜよ」
「嘘下手ってレベルじゃないよね、それ。貸して」
「あっ、ちょっ!」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………浮気ではないでしょ」
「まあ、浮気ではなかったね」
「ごめんて。待受変えるから!寝顔から笑顔に変えるから!」
「微妙に上手くてちょっとムカつく」
「ポチッとな!ほら、かわいい!」
「…………いや、だからまず俺様の顔待受にしないでよ」
「えー。あ、じゃあ佐助の待受見せてよ」
「…………え?」
「え、じゃなくてさ。私の見たんだからおあいこでしょ」
「…………俺様のケータイ、水没して画面真っ暗だよ」
「さっき幸村とメールしてただろ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………佐助、ちゅーしよっか」
「えっ!」
「空きありっ」
「なんてベタな!引っかかった俺様が言うのもあれだけど!」
「まあまあ…………ん?」
「いやこれはですねその」
「これ、私だけど私じゃないよね」
「…………そうかもね」
「コラってやつだよね」
「……えー、そうなのー?俺様よくわかんなーい」
「誰が作ったの?教えてくれたら本当に水着になってあげるよ」
「旦那です(即答)」
「へえ……幸村が。ふうん」
「あ、あれ?なんか英梨ちゃん、めちゃくちゃ怒ってない?」
「全然?気のせいじゃない?」
「そ、そっかあ。じゃあ俺様、これから塾だから帰るねー」
「塾行ってないだろ」
「あれーそうだっけー」
「…………」
「…………英梨ちゃん、本当ごめんなさい」
「折角佐助と海行こうと思ってたのに」
「えっ」
「だから充電切れにくいように設定してほしかったのに」
「えっえっ」
「じゃあね、佐助。よい夏休みを」
「待って、英梨ちゃん!俺様めっちゃ反省してるから!ごめんて!」
「知らない。佐助じゃない人と行くから放っておいて」
「ちょ、それ誰?!」
「例えば、英語混じりのやつとか?」
「げ」
「例えば、太陽ヲタとか?ああ、海なら適任がいましたね」
「…………英梨ちゃん、交友関係広いね」
「そうなの。じゃ、そゆことで」
「ダメだって!あいつらに何されるかわかんないの?!」
「わかっていながら行く」
「たち悪すぎでしょ!もー!」
「うわっ、ちょっと!離してよ!」
「絶対離さない。英梨ちゃんは絶対他の奴に渡さない」
「…………」
「俺様の気持ち、わかってくれた?」
「私の気持ちもわかってくれた?」
「すごく」
「じゃああの画像消して?」
「え?」
「…………」
「…………消します」
「今、ジャストナウ、ここで、すぐに」
「…………信用されてないなあ」
「…………」
「はい、消したよ。どう?」
「うん、おっけー」
「良かったー。じゃあ、海行こうね!充電も見てあげる」
「他の画像は?」
「…………なんで知ってんの」
「あ、やっぱりあるんだ」
「…………」
「消してね。そしたら海行こ」
「…………はい」
彼女には敵わない!