金字塔(1/7)


スクアーロ様はザンザス様に通信を取り、救援を頼むらしい。それを見送って、私は私の匣兵器の説明を行うべく開匣した。白蛇が私の足元から器用に伝って腕までよじ登ってくる。


「私のこのメイン匣は少々特殊でして。7属性全てを扱える私に合わせて、私の炎のみで開匣するのです」


本来であればその匣の属性に合えば開匣されるが、この匣は個人の炎の情報を読み込んで開匣される。だから私の炎でしか開かない仕組みになっているのだ。


「なんかすげーのな!」
「そしてもう一つの特徴。私の匣は『変化』するのです」


7つに分裂した蛇に「脱皮」と指示を出して一匹一匹属性を変える。7色の炎が額で揺らめいている。白蛇がチロチロと舌を突き出した。


「アルらしいっちゃアルらしい匣だな」
「リボーン先生に褒められるなんて光栄です」


照れますね、と真顔で頬に手を当てると「全然思ってないってー!!」と沢田くんから鋭いツッコミを入れられた。その反射神経を戦闘で使えばいいのに。ボスとしてよりお笑い芸人のツッコミ役としての方がお似合いのようだ。


「匣兵器のこともだが、いつの間に入江から依頼を受けてたんだ。いつ入江の依頼のことを知ったんだ?依頼を受けたのは未来のアルなんだろ」
「、リボーンさんの言う通りだ!メローネ基地の時といい今回のことといい…テメェには納得出来ねえことが多すぎだ!」
「そういやそうなのな」


獄寺くんに落ち着いてください、と白蛇を突き出して宥めた。白蛇の牙を見てビクついたようだが、気のせいだろう。

まずはこれを、と小型のパソコンを取り出した。ヴァリアー邸の私の私室にあったパソコンだ。


「このパソコンの中に私の知りたい大まかのことは入っていました。私にしか読めない自家製の暗号を使っていたので情報の漏洩はない、と未来の私が判断したのでしょう」
「あ、暗号――!?しかも自家製!?」
「オレらのG文字で書かれた手紙みてぇなもんか…」
「情報は戦況を有利に働かせますから」


そ、それで…と沢田くんが先を促して唾を呑み込んだ。


「そこに書かれていたのは誰が私を未来に連れて来たか。何をするべきか。それらに従って行動していたまで」


入江さんがメローネ基地で話された驚愕の事実を、私だけは沢田くん達より先に知っていたということ。

ともかく、これにて未来の私が指示したことは一通り済んだというわけだ。少しだけ肩の荷が軽くなったみたいだ。


「オレの知らない間にアルはそんな大変なことを先に抱えてたんだ…」
「気にしなくて大丈夫ですよ」
「でも!アルは一応…仲間、だし……」
「いえいえ。今の私は頼りない沢田くんではなく横暴なザンザス様の部下ですのでそこまでのご配慮は」
「結構辛辣――!?」


やっぱり沢田くんは兼業として芸人もするべきだと思う。


<<< >>>

back




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -