口と財布は締めるが得(4/5)


「はひっ!?アルちゃんですか!?」
「どうも、この間ぶりです」


ここでの主戦力であるボンゴレ10代目達に挨拶を済ませ、リボーン先生に勧められるままにキッチンに向かうと、お茶を飲んでいるハルさん、京子さん達がいた。彼女達がいるのでリボーン先生はここに行きなさい、と指示を出したのか。

突然ここに来たのだ。衣服の準備は何もしていない私に、京子さん達は自分達の服を貸そうと提案してくれた。有難い。


「お詫びと言っては何ですが、今日の家事は私が全て負担しましょう」
「でも、私達こんなことしかすることないし…!」
「なら一緒に、しましょうか?」


それなら、と二人は頷いた。

他の人達は修業をしていて、アジトは時々揺れる。その都度二人は不安げにきょろきょろとする。私は一人、暢気に派手にやっているな、と思うだけなのだけれど。


修業が終わった時間帯、つまり夕食の時間になってぞろぞろと皆さんこの部屋に集まり始めた。


「うっまそうな匂いだなぁ!」
「え、ええ〜〜!?何この豪華な食事!?」


テーブルの上には見た目は綺麗な食事が並べられている。使った食材はいつもと変わらないらしいが、見た目だけ凝ってみた。
京子さんが「アルちゃんが教えてくれたの」と言うと修業組は驚いたが、伊達にヴァリアーでメイドとして働いているわけではありませんしね。腕を奮いました。見た目だけ。

美味しい、美味しい!と言いながら食べてもらうと、作った側からしてみればこの上なく嬉しい。リボーン先生の「流石だな」という褒め言葉に照れてしまった。先生は褒めるのがお上手だ。


修業をしていた彼らからは疲労が伝わってくる。あと5日後。その作戦で私達の生死が決まる。彼らは彼らなりに頑張っているのだな、と彼らの指に収まったリングを見ながら思った。

ポケットの中の7種類のリングをコッソリと鳴らした。


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