損して得取れ(3/3)


リボーン先生から教えを受けたのは一年程だったと思う。それも手に職をつけながら、の状況であったから中々に大変であったことは記憶に新しい。


職を転々としながら、国も転々と。…心の奥底で父を探していたのかもしれない。顔など覚えていないのだから、探しても無意味だと言うのに。ただ私はこうして生きていられているから心配はいらない、とでも報告したかったのか。

父を追うことなどあの空の雲を追うことと等しいのに。この広い世界で父とまた巡り合える可能性なんて0に等しい。もしかしたらもうこの世の人でもないかもしれない。


金を求めて生きるほうがどれほど自分にとって特に働くか。やれ、そろそろ次の職を探すべきだ。もし満足するような仕事がなければまた次の土地へ移動しなければいけない。

さてどうしよう、と多くの広告の束を手に思案した。次はどんな能力を身につけよう。そしてどれぐらい稼ごう。
次から次へ広告に目を通して私はあの運命の瞬間と出会ったのだ。

『使用人募集。ボンゴレファミリー暗殺部隊ヴァリアー』

あの日あの瞬間、私のメイド人生は幕を上げた。


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