星の瞬き | ナノ

  接触@


ナルセ奪還のための小隊は木ノ葉の里を出発して木々の枝を利用して移動していた。かなりのスピードを出しているつもりだが、まだ追いつかないのかと不安であった。

そんな中赤丸が怯えたように唸った。キバがシカマルの名を呼ぶ。


「どうした?」

「近くに…血の臭いだ」


シカマルの言葉にキバは答えた。それを聞いた全員に緊張が走った。


「ナルセを含めた五人と別の二人の臭いがぶつかっていたが…血の臭いから五人の臭いが遠ざかっていくぜ。どうする!?」

「やっぱりか。手引きのヤロー共がいる」


できれば手引きしているやつらがいないこと、戦闘がないことを願ったが…。めんどくせぇことになったとシカマルは思う。


「血の臭いがしたってことはおそらく、戦闘があったってことだ。そこに行けば何らかの情報が手に入んだろーけど、うかつに近付けねぇから偵察パターンに切り換えてゆっくり歩いて近付かなきゃなんねェ」

「そうこうしてる間にナルセは火の国の国境を越えるぞ」


ネジの意見は尤もであった。サスケは前方を走るシカマルの後ろ顔を窺う。


「どうする?」

「…よし。ナルセを追うぞ」


小隊長であるシカマルの決定は隊の決定。だがシカマルは「ただし」と言葉を続ける。

戦闘があったのなら敵の警戒は一層厳しくなったはずだ。当然追い忍の可能性も考えている。つまりトラップと待ち伏せに合う確率が高くなった。

任務の危険度が上がった、とチョウジはごくりと唾を呑んだ。


「いいか。これから視覚と聴覚をフルに使え。待ち伏せをくう前にこっちが先にやつらを見つける。それから、怪しい痕跡を見つけたらただ避けるだけでなく、解釈しろ」


分析が得意なシカマルの、いかにもな指示であった。全員了承の意を表すために頷いた。

その後また赤丸が鳴いた。それによってキバが何かに気付く。


「オイ!敵の臭いだらけだぞ!!」

「皆止まれ!!」


小隊は危険を察知したキバとシカマルの制止の声により動きを止める。全員はとある太い木の枝の一本に着地した。


「上をよく見てみろ」


シカマルの言う通り頭上を見上げれば、木の幹に起爆札が張られていることに気付いた。札は五枚。


「起爆札…他に五か所あるな。この形は【結界法陣】だ」

「結界法陣…?」


チョウジが聞き返したことにシカマルは返す。

結界法陣。トラップ忍術の一種で、その札に囲われた陣内に入った途端発動する時間差の罠である。オヤジに読まされた本に書いていた。高等忍術って書かれてあったな、と苦笑するシカマル。

キバは舌打ちし、回り道をするしかないなと言った。でなければ前に進めないので小隊は回り道をすることになった。


*****


小隊は暫く歩き続けるが、途中あちこちにトラップを仕掛けられていた。

先ほどのような結界方陣やクナイにワイヤーで吊るした大量の起爆札。足を入れれば檻が出現する忍術。だが荒が目立つ。敵も時間がないのだろうとシカマルは予想を立てた。


地面から十数センチ離れて張られたワイヤートラップを跨いで進みながら、サスケは何かに気付きしゃがみ込んだ。そんなサスケを見たシカマルも同様にしゃがむ。


「なるほどな。片方のワイヤーは光に反射して見やすいが、もう一本のワイヤーには艶消しのグリーンが塗ってある」


よくよく見るともう一本ワイヤーが張られていた。肉眼では中々見えづらい。二重トラップである。


「急いでるってのに、やけに手の込んだトラップだな。つーことは…」

「休んでるな。手傷でも負ったか?それとも罠か」


それを確かめるためにネジは白眼で周囲を感知する。


「捕まえた」


その言葉にキバが張り切った声を上げる。


「悪りィがここはオレの新技を披露させてもらうぜ!」

「ボクだって!」

「焦んなよ。オレの作戦準備ができ次第…ターゲット接触だ」




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