星の瞬き | ナノ

  接触A


不知火ゲンマ、並足ライドウと戦闘を終えた後、疲弊を回復させるために音の四人衆は休息を取っていた。全員息切れを起こしている。またナルセは高見の見物を気取って木の上から見下していた。左近が舌打ちする。


「急いでるってのに…タラタラ休息しなきゃならねえとはな」

「呪印ってのも考えもんだな」

「仕方ねぇだろ。状態2でやりあったら消耗が激しすぎるんだよ」


ナルセが嫌味たっぷりに口を出したら多由也が不満そうな顔で見上げて言った。


「それより暫く体が使えないのが難儀だ」

「上忍クラス二人相手じゃ仕方ねえぜよ。加減すりゃこっちがやられる」


それは正論だろうな、とナルセは膝に抱えた九喇痲の背を撫でながら思った。鬼童丸は多々ある指で何やら糸を操っていた。

そして一方音の四人衆に慎重に近付くシカマルとネジ。まだ気付かれてはいないようだとシカマルが安堵する。そっと様子を窺うがナルセの姿が見当たらない。


「ナルセがいねーぞ」

「単に木の上で休んでいるだけのようだ」


マイペースなやつだとネジは呆れた。しかしそうする内に左近がいきなりさっと動きシカマル達がいる方へクナイを投げた。

クナイはシカマルとネジの間をすり抜け、後ろにあった木に突き刺さる。クナイに目をやれば三枚の起爆札が目に入った。マズいと思った二人がその場を離れようと跳躍した瞬間、大きな爆発が起きた。


「何だァ。戯れにヤブをつついてみたら、蛇どころか虫二匹かよ」


爆風により地面に倒れ伏せた二人の前に四人衆は立ち塞がった。多由也がフンと鼻で笑えば、次郎坊は身構える。それに慌てたシカマルは口を開く。


「ちょい待ち!待った。オレ達は戦いに来たんじゃない。ただ、交渉に来ただけだ」

「…フン。だったら何ぜよ、これはよ!」


鬼童丸が自身の糸により別の茂みに隠れていたサスケ達を引き摺り出す。

万時休すか。しかしそれでもキバはニィと笑い、シカマル達と四人衆の間に煙玉を投げつけた。


「クク…その煙玉にどんな意味がある?オレからは絶対逃げられんぜよ。ワイヤーよりも細く丈夫でほとんど見えない糸だ。辺りにはオレの糸が敷き詰めてある」


その言葉を聞いてシカマルはさっきのワイヤーの二重トラップは、実は三重トラップだったのだと気付いた。


「まいったな。ヘッ、こんな能力者がいたとはな…」


両者は互いにふっと笑い合う。それを黙って見つめるネジ。


「てめーらはこのオレが…!」


その時鬼童丸が異常に気付いた。体が動かないのだ。鬼童丸だけでなく、他の左近達も動けない。


「ナイスだ、シカマル!影真似成功!」

「でもよ、こんな能力者もいるんだぜ。キレーに作戦にハマってくれてありがとよ」


キバは嬉しそうに叫び、シカマルは静かに笑った。シカマルと四人衆達の影はつながっていた。シカマルの術にまんまと引っかかったというわけだ。


「まいったな…。けどよ、オレにはこんな能力もあるんだぜ」


左近そう薄らと笑った。サスケはそれに違和感を感じ、左近の後ろにあったもう一つの頭がないことに気付いた。

その刹那、どこからともなく手裏剣が飛んできた。突然の奇襲にシカマルは印を解いてしまい、四人衆の体は自由となる。あっと思う間もなくそのうちの一人、次郎坊が印を結んだ。


「【土遁結界 土牢堂無】」


砕けた地面の岩がサスケ達を包み込み、ドーム状に変形する。

完全に閉じ込めることができたと確認できれば、手裏剣を投げた犯人である右近は左近の首辺りに戻っていく。


「クソ!」


結界の中にいるキバは岩をドンドンと叩き、シカマルは悔しがる。枝で休みながら、先程の騒ぎを眺めていたナルセがヒラリと飛び降りた。


「こいつらはオレが貰った。少しでも回復したいんでな」

「フン…喰い終わったら追いつけよ。オレたちゃ先に行くぜよ」

「チャッチャと来いよ」




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