星の瞬き | ナノ

  接触B


追跡隊のメンバーは原作通りだったってことか。オレも綱手様に甘く見られたもんだ。無理矢理にでも上忍か、あるいは上忍を至急呼び戻せばよかったものを。それともオレが嫌々ついて行ってるとでも思ってんのか?確かにこんな口の悪いやつと並んで歩きたくねぇけどよ。


「(お前の口も十分悪い)」

「(うっせぇ。お前にだけは言われたくない)」


移動を続けながら心中で悪態を突きまくる。傍から見れば黙っているだけだが、その頭の中を覗くと暴言で溢れている。


「次郎坊のヤツ、遅いな」

「……イヤ、もう来たぜ」


左近の独り言のような文句に鬼童丸が返事を寄越した。その言葉の通り次郎坊が姿を現した。


「何タラタラやってた?」

「すまない。カス共のチャクラを奪うのに手間取った」

「このデブ、チンタラしてんじゃねーぞ。図体だけ無駄にでかいこのゲスヤローが」


何も言い返さない次郎坊に三人は目を鋭くさせた。


「何ぜよ、次郎坊。今日はやけに素直だな」

「…何がだ?」


その言葉を合図にしたように立ち止まって鬼童丸は体の向きを変えた。


「だからお前をこのまま連れて行くわけにはいかねーって言ってんぜよ。テメェは次郎坊じゃねぇからな!」


鬼童丸はヘヘヘと悪い顔で笑う。チィと舌打ちをして次郎坊はクナイで襲い掛かる。


「今度はオレにやらせろよ!お前らは先行ってろ」


鬼童丸の言葉に多由也が「フン」と返事をしてその場を去る。鬼童丸は腕を巧みに使って次郎坊の腕を受け止めた。


「次郎坊は多由也の言葉遣いをいつも注意するぜよ」

「なァるほど」


そう言った次郎坊は煙に包まれた。シカマルが変化を解いたのだ。体を捻って蹴りのモーションを取るが、咀嚼していた鬼童丸に何か吐き捨てられ木の幹に体を縛られる。


「【忍法 蜘蛛縛り!】」


*****


「ったく、あのデブ、何やってやがる!? クソが!!」

「やっぱり四人衆ん中で一番弱えー奴を残したのは失敗だったな」


油断したから、ではなく人選ミスで済ませるつもりか。とナルセは冷めた目で二人のことを見つめた。


一人一殺
(一人、また一人)


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