星の瞬き | ナノ

  修行@


かたん、と音を立てて部屋に入ってきたのは小さな男の子。


「おおイナリ!どこへ行っておったんじゃ!」

「お帰り…じいちゃん」


どうやらおっさんの孫のようだ。ツナミさんが挨拶をしなさいと言うのにしようとはしない。シャイなんだな

イナリという少年はタズナにしがみつく。そしてオレ達をじと目で見て口を開く。


「母ちゃん、こいつら死ぬよ」

「…はぁ?」


前言撤回。ただの生意気な小僧でした。
つかなんだ?普通初対面の人間に死ぬとか言うか?


「ガトーに刃向かって勝てるワケが無いんだよ」


諦めたように少年は呟く。随分と冷めた表情をする子だ。


…ま!オレには関係ないがな!

帰ったらガトーショコラでも作るかな



*****




場所は森の中。オレ達が修行をする場所となるところだ。


「では、これから修業を始める!!」


そこからチャクラについての説明が。


チャクラとは体の細胞から集めた身体エネルギー。修行や経験から生まれる精神エネルギー。この二つから構成されるものだ。

このエネルギーの配合により、オレ達忍は術を発動できるということだ。


「そしてエネルギーを無駄遣いしてしまうため長い時間闘えない、などの弱点ができてしまうってわけだ」

「そこで修行ってわけだな。で、体でコントロールを覚えるわけだ」


その通りとカカシ先生は頷く。


「な、なにをやるの?」

「え?木登り」


何気なく言ったその一言に二人は唖然とする。そんな二人を見てカカシ先生はにやりと笑う。


「ただの木登りじゃない、手を使わないで登る」


どうやって?と疑うサクラちゃんをなだめて先生は印を組む。足にチャクラが集まったところで先生は歩き始める。

歩いて歩いてそのまま木に足をかけて。

重力に反して地面と水平に歩いて行く。で、枝にぶら下がる。サーカスみたいだな


先生は説明を付け加えていく。

優れた忍であってもこの修行は難しいだとか、足の裏はチャクラが集まりにくい場所だから効率がいいだとか。


「まぁ、オレがごちゃごちゃ言ったところで、どうにかなる訳でもない」


先生はクナイをオレ達の足元にそれぞれ投げる。


「今、自分の力で登りきれる高さの所に目印としてそのクナイで傷を打て」


ぐへえ。修行なんてヤだな。

サスケは勢いに乗ったまま順調に進んでいたが、途中でチャクラが強すぎて弾かれてしまっていた。


「案外カンタンね!」


頭上を見上げれば、カカシ先生と同じくらいの高さの枝に座っているサクラちゃんがいた。


「今一番チャクラコントロールがうまいのは女の子のサクラみたいだね





…で、ナルセは何してるの?」

「え?昼寝の準備?」

「修行しなさい、修行」


うわ、くそだるいわー修行嫌だわー

何気にカカシ先生とサスケが期待を込めた瞳で見てくる。

え?そんな目で見るなよ
仕方ないなとクナイを拾い上げる。


「行くんだ、九喇嘛!」
「何ペットにさせようとしてるの!?」


え?いい案だと思ったのにな

上を見上げてここらで一番高い木を見つける。そして足をかけ、そのままずるずると滑らせる。


「オレの実力はこんなもんだってば」


嘘つくなとサスケに睨まれてしまう。
そんな睨むなよー、うちのペットに比べれば全然怖くないぞー

な、九喇嘛?と相棒を見れば、こいつもオレを睨んでいた。

怖っ!お前は睨むなよな!!お前目付き悪いんだから


すればいんでしょ、すれば!
嫌になるなあと印を組み、チャクラを溜めて歩く。


めんどすぎて欠伸が出てしまう
だるい、面倒、疲れる

嫌になる三大要素が詰まった修行はしたくないんだが



一歩踏み出せば足場がなく体がぐらついた。いつの間にやら天辺に辿り着いたようだ。

木の先に軽く傷を付け、木から飛び降りる。


「こんなもんでいいってばー?」

「(サクラ以上…もしくはオレ以上のチャクラコントロールかもしれない!)」


カカシ先生は驚愕する。が、ナルセはそんなことは露知らず。

木の上から飛び降り、首の後ろを掻いて座り込む。


「…やっぱり今まで手加減してたな」

「何のことやら」


責めるようなサスケの目線を軽く躱す。

そこから修行は始まった。



*****




カカシ先生から二人とは別メニューの修行を課されたナルセは変化をして、ただ枝からぶら下がっていた。

言葉にするのは簡単ではあるが、枝から落ちないようにすることと変化が解けないようにすることの二つのコントロールを同時にするのは案外難しい。


地面を見ればへたっている二人が。


サクラちゃんはコントロールはうまいのだが、スタミナ足らず。

サスケはスタミナとチャクラ量については言うことなしだが、力みすぎている。

繊細なチャクラコントロールと火力について問題なしの二人。いいタッグだな、とどこか別の場所から眺めているように二人を分析した。


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