鬼人との戦闘C
「ありがとうございました。ボクはずっと……確実に再不斬を殺す機会をうかがっていた者です」
木の上で頭を軽く下げた少年にカカシ先生は追い忍だな、と訊いた。
先生。疑問符がついてないってば
先生は再不斬の首元に手を当て、脈がないか確認をする。
眼孔めっちゃ開いてるよ!怖いよ!
まあ、千本のあの位置は仮死状態にするツボ。人体に詳しくないカカシ先生にはきっとわかんないだろうな
「里を抜けた抜け忍片づける人?」
「まあ簡潔に言えば…ボクは“抜け忍狩り”を任務とする、霧隠れの追い忍部隊の者です」
首を傾げて尋ねれば、詳しく答えてくれた。
優しいな、この子!めっちゃいい子!
風を纏って再不斬の隣に降り立つ少年。あの巨体をものともせずに担ぎ上げる。
「あなた方の闘いもひとまずここで終わりでしょう。ボクはこの死体を処理しなければなりません、なにかと秘密の多い死体なもので……それじゃ失礼します」
少年は片手で印を結び、風と共に去って行った。文面だとなんかかっこいいな!
「さ!オレ達もタズナさんを家まで連れて行かなきゃならない。元気よく行くぞ!」
「ハハハッ!!皆超すまんかったのォ!ま!ワシの家でゆっくりしていけ!」
先生を先頭に一行はまた出発する。
が、しかし。カカシ先生の体が突然倒れた。
「先生!?どうしたの!?」
倒れた先生のもとに全員集まる。
「多分写輪眼の使い過ぎだってば。カカシ先生はうちは一族じゃない。そんな体で写輪眼を使えば倒れるなりなんなりするだろうな」
変化の印を組み、前世の姿に変化する。そしてそのまま先生を担ぎ上げる。うん。身長も丁度いい。このまま行けるな
歩き出せば一人しか歩いていないことに気づく。振り返れば呆然としている皆が。
「何?行くよ」
「あ、ああ」なんて歯切れの悪い返事をして歩く。なんなんだ?
「「「(あれは誰の姿だ…?)」」」
*****
「大丈夫かい、先生?」
「いや…!一週間ほど動くないんです…」
「なぁーによ!写輪眼ってスゴイけど、体にそんなに負担がかかるんじゃ考えものよね!!」
おっさんの家に到着し、先生は布団の中へイン。
サクラちゃん、物事にはメリットとデメリットが付き物なんだぜ
そう眼を責めてやるな。責めるなら能無しのカカシ先生を責めるべきだ。
皆がカカシ先生の布団を取り囲んでいる中、ナルセは一人窓際で黄昏ている。その手の中には眼鏡の残骸が。
ひとつ、ふたつ。溜め息が口からこぼれていく。
一人でぼーっとしている中、ついに先生が「再不斬は生きている」という結論に辿り着いた。
サクラちゃんが先生が確認したじゃない!と声を上げる。千本がなんだ、追い忍がなんだ。再不斬が生きている根拠を挙げていく。
「はぁ…」
「さっきから溜め息ばかりどうしたの?」
ん?とカカシ先生に気怠そうに目を向ける。
「だって…眼鏡…」
「眼鏡なんてまた買えばいいだろう」
そう言ったのはサスケ。表情が諦めろと語っている。
「これがいいんだよぅ…もう古いから同じ型のはないし」
「なんでそんなにその眼鏡に執着するの?」
ぐずぐずだるーんと肩を落とす。
色が、形が気に入ってたのに。それ以上に、
「だって。
これサスケからの贈り物だもん」
「「…え、ええーーーーーっ!?」」
声を上げたのはサクラちゃんとカカシ先生。
え?何?なんか驚く要素があった?
「あんなに喧嘩してるのに?」
「ちょっとナルセ!あんたサスケくんとどういう仲なのよ!?(サスケくんから贈り物なんて…しゃーんなろー!)」
「え?だってオレ達幼馴染?だし。喧嘩するほど仲が良いって言うじゃん」
「なんで疑問形になるんだ、このウスラトンカチが」
嘘よ!って叫んでるサクラちゃんや目を見開いているカカシ先生。オレ達が仲良いのがそんなに不思議かね?
それにしても。この眼鏡はもう使えないしな。諦めるしかないんだよなあ。別に目が悪いわけじゃないから新しい眼鏡を買うのもいっかな。
未だに疑いの目で見てくるカカシ先生がいらいらする。ので、ここはオレの相棒に任せる。
「行け、九喇「ストーーーーーップ!!」
チッ!失敗したか。
冷や汗を掻いているカカシ先生は慌てて話を再不斬についてに戻す。
サクラちゃんは私達に敵うわけがないと主張する。
そこで先生はいつかの演習の時のように、ククッと喉を鳴らす。それ、癖なの?
「お前達に修行を課す」
戦闘終了。のち修行
(修行かあ…いい思い出がない)
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