星の瞬き | ナノ

  親睦@


あーあー、本日はお日柄もよくー。オレの心の天気もよい、わけがない。

不愉快、不満たらたら。里の正門で待ち人を第七班のメンバーと待ち続ける。なぜオレがこんな目に合っているのか。それはおよそ半時前のことを説明しなければいけないだろう。


いつものように任務を請け負うために火影邸の受付を班は訪れた。そこにはすでに火影を引退したはずのヒルゼンがいた。問題が起こったのはそれからのことだ。


「今回第七班には特別任務を受け持ってもらう」

「特別任務ゥ?却下、断る」


特別なんて言葉、響きからして厄介そうではないか。んな面倒そうな任務受けたいわけがない。

またか…ナルセ以外の七班のメンバーはもう諦めたように、呆然とどこか遠いところを見ていた。


「この任務を拒否することは認めん。お前も承認した、という書類を提出しておるぞ?」


そう言ってじーさんが目の前に突き出したのは達筆な字でオレの名前が書かれた一枚の書類だった。

この紙には見覚えが…あれか!カナデと再会した日に持ってたあれ。通りで含んだような言い方をしたはずだ。オレが文句を言えないようにあの時すでに言質を取ったってことか!このくそじじいめ…。

極めつけに「わしに任せてもよいと言ったじゃろ?」と笑みを加えて言われた。悔しいことに言葉を返せない…


「なに、重大な任務ではあるが危険なものではない。客人を里に案内し、接待をするだけじゃ」


そういうわけでその大事なお客人を正門で出迎えている最中というわけだ。


「ようこそ木ノ葉隠れの里へ。って言ってもこの間ぶりだがな」

「出迎え感謝する」

「任務とはいえ、少しの間世話になるじゃん」


大事な客ってのはそう、砂からの使者さんのことだ。お偉いさんはどうにもあの一件は水に流して、仲良くしましょうという紙切れ一枚じゃ納得いかないようで。

なら仲が良いアピールをすればいいだけだ。ついでに里のシステムなどを勉強したいとかで、使者さんがうちの里に来たってことだ。

そこで砂隠れの里から抜擢されたのは砂の三姉弟の班。向こうからの要求と年齢を考えて木ノ葉からはオレの班が選ばれたってことだ。


「よっす。我愛羅も久しぶりじゃん」

「…ああ」


サスケとサクラはまだ木ノ葉崩しの時のことが脳内に強く残っているのか、まだ態度がたどたどしい。なるほど、二人がこれなんだからオレが選ばれたのも仕方ないってことか。

カカシ先生とあちらのバキ上忍は、隊長同士で打ち合わせがあるのだろう。二人で何やら話をしていた。


「さぁて。それじゃあ行こうかネ。まずはアカデミーからかな?」


*****


木ノ葉隠れのアカデミーはおおよそ里の中心部に位置する。「忍」と主張する看板が眩しいのなんの。

里の子供はここで忍としての育成を受ける。忍者としてやっていけない子供のために普通科ってのもあるが。残念なことにオレは忍者としてやっていく方のクラス出身だ。


木ノ葉と砂、アカデミーでしていることは同じかと思ったらそうじゃないらしい。カカシ先生がカリキュラムを説明していくと、バキ上忍は関心して頷きながら多くの質問をしていた。


「木ノ葉と砂、アカデミーで習うことにそんなに違いがあんのか?」

「さあな。オレは長く通っていないから。そういうところはよくわからない」

「あ、そう」


我愛羅も里でそれなりに迫害されて生きてきたのだ。それは前に聞いた。普通と言われる暮らしを経験してきた年月の方が少ないだろうに。

けれどそれで同情して「つらかったね」なんて余計に心配した言葉をかけることはしない。度が過ぎると鬱陶しいとオレは思うんだよね。


閑話休題、仕事の話に戻るとしよう。

アカデミーから得られることは多いとオレは思う。勝手にそう思っているだけかもしれないが、アカデミーってのは忍の根本部分を作り上げる場所だ。里の個性が出る。木ノ葉は他の隠れ里と比べて穏健と言えるだろう。砂は残忍なところ。

さらに成長期に効率良く体を作り上げると多くの良き忍が生まれるってわけだ。その育成方法を知ることは大きな利となる。


ま、ちょーっと砂が得になることばっかな気がするが、そこはカカシ先生がフォローを入れている。巧みに向こうから情報を聞き出してるっていうね。

いやー、大人の世界は薄汚いね!



prev / next

[ back to contents | bookmark ]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -