目が覚めると、本当に自室にいた。
部屋の中はとてもシンプルで、きれいに整頓されている。
隅にはターミナルもあり、ここから任務の準備などが出来るようになっているらしい。これは便利。

エントランスにいた雨宮教官の指示に従って、任務を受注してみる。
私にとっては初任務だ。
任務情報担当の竹田ヒバリさんに細かな説明をしてもらい、大体の流れはわかった。わかりやすい説明ありがとうございます、ヒバリさん。
どうやら私の初任務に同行するのは、『雨宮リンドウ』という人らしい。
雨宮ツバキ教官と名字が同じだが、血が繋がっていたりするのだろうか。
今度からツバキ教官と呼ぼう。

任務を受注してエントランスで待っていると、雨宮リンドウさんらしき人物がやって来た。
なるほど、なんとなく顔も似ている。
ということは、性格もツバキ教官に似て真面目な人なのか。

「よう、新入り。俺は『雨宮リンドウ』。形式上、お前の上官にあたる。…が、まあめんどくさい話は省略する。とりあえず、とっとと背中を預けられるぐらいに育ってくれ。な?」

…前言撤回。真面目さの欠片もないような人だ。
まあ、堅苦しいよりはいいが。

「あ、もしかして新しい人?」

そう言ってやって来たのは、髪を短く切り揃えた女の人。
なんというか、すごく際どい格好をしている。
っていうかなんなんだこの極東支部は。
ツバキ教官といいこの女の人といい、なぜこんなにもグラマナスボディのお姉さまが揃っているのだろうか。
神様が私を嘲笑っているのか、もしくは徹底的にフルボッコにきたのか。
神様このヤロォォ!

「あー、今厳しい規律を叩き込んでるからあっち行ってなさい、サクヤ君」
「その厳しい規律をすっ飛ばしたのはどこの誰ですか」
「さあ?誰だろうな?」

私が呆れて言うと、リンドウさんは白々しく笑った。上官……?
「了解です、上官殿」と言って去って行く女の人を尻目に、リンドウさんが続けた。
一体どういう関係なんだ?

「さっそくお前には実戦に出てもらうが、今回の緒戦の任務は俺が同行する。…っと、時間だ。そろそろ出発するぞ」
「わかってますよ、上官様」
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