今回の討伐対象は、オウガテイル一体だった。
新人ゴッドイーターが、まず一回は受ける任務で、まずこれをクリアできなければ、ゴッドイーターの仲間入りは難しいらしい。
つまりは、基本中の基本というやつだ。
そして、その基本中の基本でも命を落としてしまう人が多いのも、ゴッドイーターだ。

「命令は3つ。死ぬな。死にそうになったら逃げろ。そんで、隠れろ。運がよければ不意をついてぶっ殺せ。あ、これじゃ4つか?ま、とにかく生きのびろ。それさえ守れば、あとは万事どうにでもなる」
「結局、命優先ってことですよね?言われなくてもって感じです」
「ははっ、頼もしい新入りが来たもんだ」
「当然です。私を誰だと思ってるんですか?」
「これはこれは新タイプだな。さて、おっ始めるか!」

ターミナルで選択したショートブレードを構え、進んでいく。
意外と早く、オウガテイルは見つかった。

「おうオウガテイル、あれでいいですよね?」
「おう。今回の任務はお前の実戦訓練も兼ねてるから、俺は基本的に援護のみになるが……」
「構いません。十分です」

私はそう言うと、持っていたショートブレードを銃形態に変え、オウガテイルに向かって連射した。
連射連射連射。
辺りには騒音だけが響いている。
……なんだかちょっと楽しくなってきた。
よし、最後の一発!というところで、オウガテイルはあっけなく力尽きてしまったが。

「あー……」

私が一人落胆していると、リンドウさんがビシッと背中を叩いた。
地味に痛い。

「何残念がってんだ。ほら、帰るぞ。家に帰るまでがミッションだ」
「何ですかその『家に帰るまでが遠足』みたいなノリは。遠足感覚なんですか?」
「そりゃ任務も遠足感覚で楽しめたらどれほど良かったか」
「何言ってるんですか。遠足って幼いころは嬉しいけどいい加減大きくなったら休憩なしで無理矢理歩かされるだけの理不尽なイベントじゃないですか」
「……そんな風に言ってやるな」

私とリンドウさんで冗談を言い合っていると、帰投準備が整った。
リンドウさん……今回何もやってないな。
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