「ねぇ…ガム食べる?」

そう聞いてきたのは、現在私の隣に座っている少年。
子供のように足をバタつかせているが、右手につけられている赤い腕輪を見る限り、この少年もゴッドイーターなのだろう。
あまり認めたくはないが。

「あ、切れてた今食べてるのが最後だったみたい。ごめんごめん。アンタも適合者なの?」
「…そういうことになりますね」
「オレと同じくらいっぽいけど…まあ、一瞬とはいえオレのほうが先輩ってことで!よろしく!」
「…ま、一応。一応ですけど、よろしくして差し上げます」

まっすぐと目を見て言ってくる少年に、少し恥ずかしくなって目線をそらした。
なんというか、子犬のような人だ。
しばらく椅子に座っていると、一人の女性がやって来た。
大胆に胸元を開き、ツヤのある髪と潤いのある唇が色っぽさを感じさせる。

「立て」

その言葉で私はすぐに上官か何かだろうと思い立ったが、少年は聞いていなかったらしい。

「立てと言っている!立たんか!」

女性が再度言うと少年はやっと理解したらしく、即座に立った。

「これから予定が詰まっているので簡潔に済ますぞ。私の名前は『雨宮ツバキ』。お前たちの教練担当者だ。この後の予定はメディカルチェックを済ませたのち、基礎体力の強化、基本戦術の習得、各種兵装の扱いなどのカリキュラムをこなしてもらう」

雨宮教官の言葉を聞き、心の中でうんざりする。
訓練訓練。訓練の連続だ。

「今までは守られる側だったかもしれんが、これからは守る側だ。つまらないことで死にたくなければ私の命令にはすべてYESで答えろ。いいな?わかったら返事をしろ」
「はい」
「はい!」
「さっそくメディカルチェックを始めるぞ。まずはお前だ」

そう言って雨宮教官は私を見た。

「ペイラー・サカキ博士の部屋に一五〇〇までに集まるように。それまで、この施設を見回っておけ。今日からお前たちが世話になるフェンリル極東支部。通称『アナグラ』だ。メンバーに挨拶の一つでもしておくように」

それで、今日は一時解散となった。
少年には別の部屋が伝えられ、すでにそこに向かったらしい。
仕方なく、私も伝えられた部屋に向かうことにした。
……ペイラー・サカキ博士の部屋ってどこだ?
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