05


「……?」
「あの犬は……」
「何吠えてるんだろ?」

街を回っている最中、何もないところに向かって吠える犬を見つけた。
かなり大きな屋敷の犬だ。
アリアたちは、犬に近づく。
すると突然、犬の吠えている方から青い炎が現れ、炎の中から一人の男が姿を表した。

「お前は!」
「間違いない、キツネ男だ!」
「あ、あれがミクリオの言ってたキツネ男…?なんか、あの服装、見たことあるような……」
「そんなことはいい!追いかけよう!」

逃げたキツネ男を犬が追い、それをアリアたちが追う。
が、さすがにキツネ男と犬の足の速さにはついていけず、走っている間にどんどん引き離されてしまった。

「あのキツネ男、やっぱり狙いはアリーシャ?」
「だろうね。騒ぎになったから一旦引いたのかも」
「…スレイたちといると、ホントめんどうなことが多いかも」

三人が走りながら話す。
人混みを掻き分けながら犬を追って進むと、やがて人通りの少ないところまで来た。
が、そこで見たのはキツネ男ではなく、大量の血を流した先程の犬だった。

「くっ!見失ってさえいなければ」

スレイが犬に近づく。

「ちょっと待っててな。あとでちゃんと葬るから……」

もう、息はないらしい。
恐らく、キツネ男にやられたのだろう。

「…感傷に浸っている暇はない。まだ近くにいるよ」

アリアが武器の大鎌を取り出して言う。
しばらく進むと、キツネ男がミクリオ目掛けて攻撃してきた。
スレイに押されて、なんとか避ける。

「お前の好きにはさせないぞ!キツネ!」

スレイとミクリオも、それぞれの武器を取りだし、構える。

「あくまで邪魔ぁするってか」
「邪魔してんのはそっちなんですけど的な。…ま、言ってもしょうがないか」

キツネ男がそう言うと、アリアがそれに対して言う。
次の瞬間、キツネ男が飛びかかってきた。




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