06


「にゃろっ!なんだって前より強いんだよ!?」
「イヅチではジイジの加護領域がこいつを弱体化させていたのかもしれない!」
「レディレイクは、天族の加護がない……。だから簡単に憑魔が………」

三人がキツネ男について考えていると、

「丸焦げになって後悔しな!そーらっ!」

といってキツネ男が青い炎を飛ばしてきた。
三人はそれに吹き飛ばされ、スレイとアリアはなんとか受け身をとったが、ミクリオは壁に叩きつけられてしまった。

「ミクリオ!アリア!」
「あたしは大丈夫!ミクリオが!」

アリアが珍しく叫ぶ。
話しかけても返事がない。
どうやら、気を失っているようだ。

「くっくっく。今回はしっかり殺すぜぇ雑魚のくせに俺の邪魔しやがったんだからなぁ!」
「お前は……ちょっと黙って」
「アリア!」

アリアがキツネ男の背後から斬りかかる。
が、キツネ男はそれを簡単にかわし、片手でアリアの首を掴んだ。

「………………………………っざけんな………!」

一瞬。
ほんの一瞬だけ、アリアの目が赤く光ったような気がした。
が、次の瞬間、キツネ男の足元には、一本のナイフが突き刺さっていた。
その事から、 スレイやアリア、ミクリオやキツネ男でもない、他の誰かが来たことがわかる。

「と……頭領……」

キツネ男が呟くと、アリアの首を離す。
アリアの体は酸素を求めて咳き込んでしまった。

「ち、違うんだ頭領……これは」
「黙れ……」
「ひ、ぎゃぁぁ!」

頭領と呼ばれた人物がそう言うと、キツネ男の太ももの辺りにナイフを刺した。
キツネ男が苦痛の叫びをもらす。

「ルナール、掟を忘れたか?」

キツネ男が首を横に振る。

「次はない。いいな?」

その質問にキツネ男が震えながら首をを縦に振ると、黒衣の集団はキツネ男を連れていった。
黒衣の集団とスレイが何か話しているのが見えるが、アリアのいる位置からでは聞こえない。

「………………………………」

手、足、首……と順番に動かして異常がないことを確認すると、アリアは目を覚ましたらしいミクリオのもとへ向かった。




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