03


そうこうしているうちに、アリアたちはレディレイクの入り口についた。
どうやら商人のキャラバンが狼の群れに襲われたらしく、馬車が立ち往生していた。

「ス、スレイ、犬だ!」

ふと、ミクリオが一点を見つめて言う。
視線の先には、一匹の犬がいた。

「お、かわいい、よしよし」

スレイが近づいて撫でてみる。
#ありあ#も撫でようとして近づくが、なぜか犬は後ずさり、縮まった。
まるで、アリアに怯えているようだ。

「あ…………………………」
「ま、まあ、そういうこともあるって」

自分に怯える犬を見てショックを感じたと思ったのか、スレイがわざと明るい声色で言った。
本人はなんとも思っていないが。

「ミクリオも撫でてみたら?犬?」
「こういう動物は僕らの存在を感じていて、苦手だ……」

ミクリオが近づくと、犬はミクリオに向かって吠える。
スレイはそれを見て笑っていた。

「笑うなよ。誰だって苦手なものぐらいある」
「ミクリオの弱点見っけ」
「アリアは黙っててくれ」
「それはいいけど、そろそろキャラバン隊の人に声かけた方がよくない?」

アリアがそう言うとスレイとミクリオは犬から離れ、キャラバン隊のもとへ向かった。
どうやらこのキャラバン隊は、"セキレイの羽"というらしい。
スレイとアリアがしばらくセキレイセキレイの羽の二人と話していると、

「立派なナイフ〜!ね、1000ガルドで売ってくれない?」

と、そのうちの一人、ロゼという少女に持ちかけられた。

「……?何、そのナイフ」

アリアがミクリオに小声で話しかける。
目線はロゼに向けたままなので、怪しまれることはないだろう。

「ああ……少し前、イズチに来た女の子が落としていったものだよ。どうやら、王家の物らしい」
「ふーん」

スレイが断ると、ロゼは「そっか。残念」といって引き下がった。
あまり押しきってみるつもりはないらしい。
とりあえず、近くの兵士に話しかけ、街に入る申請をする。
と、そのとき

「みなさん、ご迷惑お掛けしました!」

止まっていた馬車が動きだし、街の中へ入っていった。

「ちょうど良いタイミングだな。レディレイクにようこそ」

兵士にそう言われ、スレイとアリアとミクリオは、レディレイクの中へと入っていった。




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