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「えー、こちらアリア。現在聖堂ではスレイとアリーシャが手を繋いでいますが、ミクリオさん、今の心境は?」
「そのふざけた実況をやめてくれないか……気が抜ける」

ライラの置き手紙には、次の目的地が書かれていた。
"地の主"と呼ばれる、この辺一帯を加護する天族を正しく祀れる人を探しに、聖堂まで行くらしい。

「…でさぁ、あの三人、何してると思う?」

アリアが聖堂の窓越しにスレイたちを指差す。
そこには、ライラがスレイとアリーシャの手を繋ぎ、アリーシャが赤い炎のようなものに包まれている光景があった。
ライラの炎であることは間違いないだろう。

「…僕にはわからないが、恐らく、何かの契約だと思う」
「契約、ねえ……まさか、従士契約とか?」

従士とは、主神と陪神の関係のように、導師と人間が契約し、浄化の力を得るというもの。
アリアが今着ている衣装は、レディレイクに伝わる従士の衣装を元に作られたらしいが、細かい文献は残っていないらしい。

「従士かー…そういえばミクリオ、知ってる?アリアって、スレイやミクリオと一緒にいると、すごく楽しそうなんだよ?」

……いきなり何を言っているのだろうか。
突然の話題に何を言ったらいいかわからず、ミクリオが黙っていると、アリアが続けた。

「アリアは同年代の子と話したことがなくってね、最初会ったときから、すごくすごく、スレイとミクリオに興味を持っていたんだよ!研究所では、実験とか、捕獲とかの話ばっかりだったからね!」

ーーー実験?捕獲?研究所?
ミクリオには訳のわからない言葉ばかりだったが、それでもミクリオは黙って聞いていた。

「だからお願い。アリアをまたひとりぼっちにしないで。ボクの大切なアリアを、寂しくさせないで」

珍しく真剣な表情で、アリアはミクリオに語りかける。
それほど、彼女にとって重要なことなのだろう。

「……アリア、君は、」
「ああっ!ミクリオ、スレイたちが行っちゃう!早くライラの手紙読まないと!」

ミクリオがアリアに問いかけようとするが、無理矢理話題を変えられ、続けることが出来ない。
前にもこんなことがあった、とミクリオがため息をつく。
そうだ、こっちのアリアはこんな子だ。




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