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「よーしっ!三連勝ー!」

動かなくなった憑魔を見て、アリアーー正確にはアリアの影ーーがキャッキャと騒ぐ。
これもほとんど、ミクリオのフォローのお陰なのだが、アリアは気にしていない様子だった。
ミクリオもそれはわかっているが、もう何を言っても無駄だと思ったのか、何も言わない。
だが、彼女の強さは本物だ。
本気を出せば、ミクリオのフォローがなくとも一人で進めるだろう。
少なくとも、普段のアリアの数倍は強かった。

「……アリア」
「?なぁに、ミクリオ。三下どもは蹴散らしたけど」
「いや、その事じゃない。少し、聞きたいことがあって」

アリアが不思議そうな顔で近づいてくる。

「……君は」

ミクリオが口を開いた直後、大きな、地響きと共に巨大なスライムが現れた。
近くには小さなスライムもいて、仲間と共にアリアとミクリオを喰いに来たということだろう。

「っ!?何これ気持ち悪!パパっと片付けますよ、ミクリオ!」
「!待て、アリア!」

長年スレイと共に遺跡探検をして危険察知能力を身に付けてきたミクリオの直感が警告する。
これは危険だ。
今の自分達で叶う相手ではない。

「んなもん、雷で一発……」
「ここは地下水路だぞ!使われていないとはいえ、万が一少量でも外に流れていたらどうする。大変なことになるぞ!」
「ああもう、だから水ってめんどくさい!固形じゃないから物理攻撃効かないし、余計なとこまで被害持ってくし!」
「それは水の天族である僕に対する冒涜と受け取っていいのか……とにかく逃げるぞ!」




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