18


どうやら改めて街を探索することに決まったらしく、スレイたちは街を歩いていた。
先程の湖が見える場所に来たときのことだ。
亀のような姿をした人に出会った。

「気をつけろ。妙な奴がいる!」
「カメの憑魔か!?」

ミクリオとスレイは身構え、アリアは身構えることなくただめんどくさそうな目で見つめている。
ちなみに、アリアの頭の中の影は、この三人の反応を見て大爆笑をしていた。

「誰がカメ憑魔っすか!?オイラは、かめにんっすよ!?」
「かめにん?天族……なのか?」
「かめにんはかめにんっすよ!見てわかんないっすか?」
「わかんないっす」
「アリア、口調が移ってるぞ………」

かめにんの反応を見て、ミクリオたちは警戒を解く。
どうやら悪い奴ではないとわかったらしい。

「……かめにんを見るのは初めてっすか?」
「うん」
「ただの田舎者みたいっすね。無礼千万だけど、カメは万年の心で許してあげるっす」
「何かムカつくこの小僧」
「小僧じゃないっす!かめにんっす!」

アリアとかめにんの口喧嘩は続く。
無表情で意外と挑発やら何やらに引っ掛かりやすいのだ、アリアは。
そして何より、沸点が低い。
ミクリオが何をしているのかと聞くと、ある目的のために地図を作っているとのことだった。
そこでスレイたちがちゃんとした地図を持っていないことを話すと、

「なんならオイラの地図を売ってあげてもいいっすよ?お得情報がカメ盛りっす♪」

と言って、地図を売ってくれた。
なんとなんとお得な100ガルド。安い。

「ありがとう。助かるよ」
「毎度ありっす!買ってもらえてオイラもラッキーっす!」

かめにんの地図を見せてもらうと、確かにお得な情報がたくさん書かれてあった。
スレイたちがかめにんと別れて街を再び歩き出す。
すると、地下水路から戻ってこない人がいるとの話を聞いた。

「地下水路か……怪しいね」
「一人戻ってこない、か……大丈夫かな」
「たいていこうゆうのって、中に憑魔やらなんやらがいる場合が多い。……大変なことになってなきゃいいけど」




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