16


「スレイ!アリア!来てくれたのか」
「アリーシャ!」
「ども。お邪魔します」

アリーシャの邸宅のテラスに行くと、すぐにアリーシャが駆けつけてきた。
心なしか嬉しそうだ。

「導師とその従士の装束、よく似合っているな」
「ありがとう」
「馬子にも衣装だからな」
「しつこいな〜。ミクリオ」
「そして今の発言にはあたしも含まれているのか激しく問いたいパート3」

アリーシャがスレイとアリアの衣装を素直に褒めるが、後ろからミクリオが茶々を入れてきた。
スレイが振り返って言い返す。

「……もしや、そこに天族の方がおられる?」

スレイが振り返った方を見て、アリーシャが尋ねる。

「……そうだって言っても信じられる?」
「正直、あの聖剣祭の出来事があるまでは信じられなかっただろう。
それに、出会った当初、君のことはなんていうか……その……少し変わった人だと認識していた」
「まあ、事実だね」
「変わってるどころか変だよ」

アリーシャの言葉にミクリオとアリアが賛同すると、スレイはミクリオの背中を押し、アリーシャの前まで連れて、いや、強制連行する。

「ここに居るんだ。ミクリオってのが」
「口うるさい子姑みたいな性格した天族が」
「一言余計だ!それに、僕はそんなに口うるさくない!」

スレイの言葉にアリアが付け足すと、ミクリオに怒られてしまった。
アリーシャがミクリオに近づき、ミクリオが半歩下がる。
あと一歩近づいたら、簡単にぶつかりそうな距離だ。
そう思ってアリアがアリーシャの背中に手を伸ばしたが、ミクリオに睨まれたため失敗した。

「これまでの無礼を許していただきたい。天族ミクリオ様」

急にアリーシャに頭を下げられ、ミクリオが戸惑う。
若干頬が赤い。

「べ、別に無礼とか思ってないから」
「無礼だなんて思ってないって」
「照れてる照れてる」
「アリアは黙っててくれ」




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