13


二日後、スレイは宿屋で目を覚ました。
そばにはミクリオにアリア、それにライラもいる。

「目が覚めた?」
「おはようございます。スレイさん」
「おっはー」

バラバラな挨拶をする三人に対して、スレイは無難におはようと返す。

「気分はどう?」
「うん。もう大丈夫。ここは?あれからどうなったんだ?」

スレイがそう聞くと、三人は順に話始めた。
あの後、ミクリオがアリーシャの手配してくれた宿屋まで運んでくれたこと。
そして、スレイは本当に三日三晩寝込んでしまったこと。
三人がスレイに説明し終わると、

「スレイさん、ミクリオさん。アリアさんも。少し街を歩きませんか」

と、ライラが言ってきた。
三人はそれに了承すると、宿屋を出る。
すると、スレイの様子がおかしいことに気づいたアリアが、どうしたのかと尋ねる。

「ん……何か変な感じがするんだよ。胸が押さえつけられるような……」
「まさか、もう……?」

スレイがそう言うと、ライラが少し考える。
しばらく考えたあと、

「スレイさん、それは穢れですわ。私の器となったことで感じるようになったのです」
「…?あたしは何も感じないけど」
「アリアさんは高い霊応力をお持ちですが、私との繋がりがないため、感じることはないのでしょう」

アリアが言うと、ライラは丁寧に答えてくれた。

「へえ、そうなんだ。けど、穢れって……こんなに?」

スレイが辺りを見回す。
アリアには見えていないが、スレイには黒い小さな虫のようなものが浮いて見えるらしい。
しかも、人々が活動を始めると、それはもっと増えるという。
ライラはそこまで説明すると、スレイとミクリオ、アリアの三人を案内した。




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