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「起きたか?S・スクアーロ。」


入って来たのは数度しか面識のない日本人、家光だった。廊下からこちらを睨む家光の部下はどうやら部屋の中には入って来ないようだ。

「先日のクーデターについての処分を言い渡しに来た。」


(先日…)

どれほど経ったのか。スクアーロは夢と現実の間を数日さまよっていたらしい。


「…スクアーロ君」

「!!!」


家光の後ろ、戸口にいつの間にかステッキをついた老人が立っていた。

「9代目、ここは私に任せて……」

「いや、大丈夫さ。」


老人はベッドの横まで進み、家光がさっと出したパイプ椅子に腰掛けた。


「…怪我の具合はどうだね?」

「…さぁなぁ。あんたが気にするようなことじゃねぇだろぉ?」


「そうか…ずいぶん嫌われたね…。」

「…」

家光が険しい顔をしたが、スクアーロにとってはどうでもいい。


「君は…息子、ザンザスをとても大事にしてくれているようだね。だからこそ今回こういうことになって残念だ…」

「黙れっ!!軽々しく言いやがって……誰のせいだぁ!!?」
スクアーロが上半身を起こし、叫んだ。かといって、左手は無いし右手も拘束されて何もできはしないのだが。

「…!」

家光がスーツの懐に手を入れたのを9代目は制した。

「やめなさい、家光。子供相手に…」

「しかしっ」


「子供じゃねぇ!!」


スクアーロを見つめていた9代目はそっと目を伏せた。


「…そうだね…子供ではないか。そのことで、話がある。処罰のことも…」





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