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レヴィが扉を開けると、そこには警察の制服を着た中肉中背中年の男と背が高い痩せた青年が立っていた。
ちらりと横を見やると、ここまで案内役をしていたレヴィの直属の部下が視線を返してきた。

「ちょっとすまないが、君たちにも話を聞きたい。構わないかね?」
中年の男が口を開いた。


「どうぞ」
レヴィは少し後ろのメンバーの気配を探り、特に問題はないだろうと判断し2人を室内へと招き入れ、ソファへ座るよう促した。


「一応話は回っているようなので、事情聴取を簡単にさせていただきたいのだが…」

中年男性はちらりと一同を見渡した。
「警部、その赤ん坊は退室頂いた方がよいのでは」
青年がマーモンを見て言った。

「ご心配なく。僕は見た目通りの歳でもないからね。君らより長く生きてるよ。」

はっきりした口調でマーモンが拒否をしたため2人は顔を見合わせた。
「ごめんなさい、ウチの事情ですので。それより話を進めていただけるかしら?」

緑色のモヒカンヘアーのオカマに凄まれた2人は概要を話し始めた。


「まず、3週間程前から市内駅近くにて連続して未遂を含め女性が4人被害に遭っていた。」

「まぁっ」

「そして昨日、その近辺の街頭監視カメラにこちらのボス、ザンザスと思わしき人物が行為を起こすところが映っていたため今日は事情を聞くため訪問した次第です。」

(昨日…?)

聞きながらスクアーロは昨日のボスの行動を思い出していた。
「俺らは昨日はずっと仕事に出てたから知らねー。シシシ」
「帰って来たのは朝3時くらいだったね」
「同じく」
ベル、マーモン、レヴィはそう言った。


「私は屋敷にいたけれど…昨日といえばボスは夕方から出かけていたわね」
ルッスーリアが思い出しながら話し出す。

「どこへ向かわれたかは?」
「確か跳ね馬…他のファミリーのボスが食事に誘ってきたとかで珍しく車を使わずに出かけたわ」


(そうだ、それでボスの機嫌が悪くて俺が八つ当たりされたんだ。)

しかしスクアーロは腑に落ちない部分があった。
なぜボスはわざわざ地下鉄で出かけたのか。普段は断る跳ね馬の誘いを受けたのか。


「ボスにも話し聞いたんだろぉ?ボスはなんて?ホントにボスがやったって認めたのかぁ?」

「それが…昨日の事件以外は否定したんだが、昨日は否定も肯定も答えなかったんです」
青年が言う。
大マフィアのアジトでたった2人では恐ろしくて詰め寄ることなどできず、彼らは執務室を出たらしい。


「とりあえず皆さんは昨日ザンザスの行動を細かくは知らない、ということですね」

「…俺は知ってる。」

スクアーロが目を伏せ、話し出した。
「俺は昨日、跳ね馬の屋敷に呼び出されて出かけていた。そして跳ね馬が急にザンザスを呼ぶと言い出してボスが来た。帰りは一緒だ。だから昨日はそんなこと起こるわけねぇぞぉ」

薄いブルーがかった銀の目を開き、キッと2人を睨む。

「!!」
「あら、昨日出かけてたのはそう言う事だったの」


銀の鮫に睨まれた2人は心地悪そうに自身の両手を膝の上で結んだ。
「…まぁ我々はカメラの映像で判断したわけですのであくまでまだ参考人の域です。カメラの人物がザンザスかどうかを皆さんに判断していただくためビデオのコピーを持って来てますので…」

レヴィがDVDを受け取り、モニターを用意するために部下を呼んだ。




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