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暗殺部隊ヴァリアー。
その隊員の主な戦闘員は男、事務や工作などに少数だが女がいるがこいつらは男から巧みに逃げる術を知っており襲われることなどほぼない。
いつ死ぬかわからないような暗殺業のせいか男性隊員はいつも女に飢えていたが、そこは娼婦を買うなどしてどこかしこで襲うなどしないようにさせていた。

ただ一人いる戦闘員の女とボスを除いて。


「……」

珍しくスクアーロは騒がず、静かに座っていた。否、頭を抱えていた。

「スク、大丈夫?」

隣に座ったルッスーリアがティーカップを差し出す。

「ルッス…。」

受け取ったティーカップの中、紅く揺れる液体から柔らかい香りがしてスクアーロは表情をゆるめた。


「仮に、ボスが容疑者だとして…俺のせいかなぁ…?」
「スク…」

湯気の上がるティーカップを持ったまま、スクアーロが目を伏せる。

「ボスが溜まるまで放置した、とか娼婦をあてがってなかった、とかじゃないんでしょ?気にしすぎよぉ」
「ボスが暴力ふるうのもいつものことだしね。シシシ」

ベルがソファの背もたれからルッスーリアとスクアーロの間に割り込んだ。一緒に連れてこられたマーモンもスクアーロの隣にちょこんと座る。


「…娼婦はボスが拒否するんだぁ。」
ため息混じりにスクアーロが言った。
「溜まってはねぇはずだぞ。たとえ俺が生理中でもやろうとするからなぁ…」

「ボスすげぇ〜。そんな年中盛りっぱなしで大丈夫なの?」

「生理中はやっちゃだめって何度言ったらわかるの?!あんた達」

「ぐぬぬぬ…この下品な女めっ」

「ボスはスクアーロ以外に手を出さないからね」

それぞれが喋りだし、若干非難 を浴びたスクアーロが叫んだ。
「う゛ぉぉぉぉい。だまれぇぇ!!好き勝手言いやがって!大体いつも好きでやられてんじゃねぇぞぉ!」

「そうなの?」
「先輩されるがままなんだ?」
「淫乱の癖に」
「ボスが聞いたら殺されるよ。」

元々機嫌も悪かったスクアーロは何故自分の性生活事情を暴露しないといけないのか、などを考える隙間などなくブチ切れた。

「それ以上言うなら全員殺すぞぉ」


『コンコン』



その時、扉をノックする音が響いた。





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