7 その真っ白というよりも青白い体はガリガリで骨が浮いていて、とてもじゃないけれど性的な魅力なんてない。 無いはずなのに、嘘のように惹かれてしまう。 −触れたい 「ここは俺の家だよ。攫ってきちゃった☆」 のほほんとした笑顔で言い放った金髪のお坊ちゃんは流石裏社会の跡取りと言うべきか、肝が据わっていると言うべきか…。 「何の説明にもなってねぇぞぉ!!」 納得のいかない状況に一通り暴れ回った末、危険を感じたディーノの部下によって手足を拘束されるはめになったスクアーロが吠える。 「くそっ…何がしたいんだお前。俺は着せ替え人形じゃねぇ!こんなヒラヒラした服気持ち悪ぃよ」 「似合うのに」 「似合うかっ!バカじゃねぇの」 丁度その時コンコン、とノックの音がしたがディーノの返事を待たず扉は開いた。 入室者にチラリと目線をやりながらディーノが声をかけた。 「似合ってるよ。…お前もそう思うだろ?ザンザス」 「…なっ…!?なんで…」 開いた戸口には、ザンザスが呆然と立っており室内の異様な状況を把握しかねていた。 「なんだ、これは…」 「ふふっ…」 ディーノがザンザスに近寄り、スクアーロには聞こえないように囁く。 「お前がいらないなら、俺が貰おうかなって。スクアーロ」 「!」 次の瞬間にはザンザスがディーノの襟元を掴んで壁に押しつけていた。 「テメェ…!」 「あれ?だってうまくいってないんでしょ。」 尚もディーノはにっこりと微笑む。 「関係ねぇだろ。」 「あるよ。俺はスクアーロが欲しい。」 いつもの柔らかい印象を一切削ぎ落とした金髪の少年は、キッとザンザスを見上げた。 (なんだ…コイツ…) [mokuji] [しおりを挟む] TOP |