小説 | ナノ




15


9月9日、ザンザスは突然目を覚ました。

「ザンザス…っ!……本当にっ、夢じゃねぇんだなっ!!?」

「カス……なんだ、そのナリは」

8年氷柱で眠り続けたとは思えない程しっかりとしたよく響く声がスクアーロの背骨を溶かしてしまうかのように全身の力を緩ませ、その場にペタンと座り込んだ。
長く伸びた髪が床に落ち、小さな細い渦模様を作る。

「チッ……来い」

幹部一同が唖然と見守る中、スクアーロはザンザスに引きずられて行った。



「ふ…ぅ……、ザン…ザス」

ザンザスの部屋に投げ込まれ、床に倒れたままのスクアーロにザンザスがのしかかった。
隊服の襟を掴むとそのまま唇を塞ぐ。

「っはぁ……本当に……夢じゃないんだなぁ…?」

「はぁ?…ワケのわかんねえこと言ってんじゃねえ、ドカス」

目覚めてからの短時間に少しずつ状況は飲み込めてきたものの、記憶の中のスクアーロとは容姿も雰囲気も違っている目の前の女にザンザスは苛立っていた。
(なんだ、コイツ。本当にあのカス鮫か?)

思わず頬を張ったがそれさえも嬉しそうにするスクアーロに更に苛立ち、前戯無く床に押し付け、無理矢理に犯した。8年振りに男を受け入れたスクアーロのそこは出血を見せ、苦しそうに喘いだがソレによりようやくザンザスの気も落ち着いた。


「…ふん、」

「カス、今まであったことを報告しろ。」

「っ………Si…」

2度目の破瓜の痛みに顔を歪めながら冷たい床から体を起こすと、淡々と8年間の報告を行った。



ただし、シルヴィアの存在については省いて。




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