ちゅどーーーん

「で?そのかび臭さの原因はなに」

可愛い可愛い友達に向かって、かび臭さはないでしょうよ!とつっこむほどの気力もくなく私は机に上半身を預けていた。でろーんと溶ける私はスライムかなにかのようだ。

「どうせ日向くん絡みなんでしょ」

「どうせってなにー。」


「ん?日向って日向順平のことか?」

「そうよ」

そうよってひぃちゃんそこはごまかしてくれるところじゃないの?ねぇ?
こういう話で盛り上がるのは男も女も変わりないのだ。況して高校生、お付き合いだなんだと恋に勉強にと忙しい生徒たちばかりだ。


「苗字さん、日向と知り合いなの?」

「元幼馴染なんだってさ」

「"元"ってなんだ…? 幼馴染だったんだな。その割にはあんまり話したりしてないよな?」


サラっと会話に入ってくる展開は阻止したい
…したかった。

私に気力があればもちろん阻止していた。
なんだよ髪がサラサラだからかこんちくしょう。
キューティクルサラ男って名付けるからな!流行りそうな気がする。伊月くん風にいうとキタコレ!


「――ってな訳よ」


「ふうん、じゃあ見学くれば?」



ん?見学?



05.ちゅどーーーん




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