そんなものリアリティ
「伊月ー、カントクが今日は部活休みだとよ」
突然のことだ。
元幼馴染がうちのクラスにやってきた。
私の席はこの間のまま、廊下側の一番後ろなので、どうにも通行の邪魔になりやすい。
案の定というか、今回の訪問者も少し椅子にぶつかってしまった。
「わ、わりィ」
「…いえ」
どうにも暇を持て余す古典の時間。徒然なるままに、つい、さっきのことを思いだしてしまっていた。
―「わ、わりィ」―
そう、私ははっきりと気づいてしまった。
日向くんは私のことを覚えていないのだ。
普通なら、忘れていたって
―「あれ、お前…どっかで俺とあったことあるか?
いや、人違い「人違いじゃないよ、私は苗字名前、昔一緒に遊んでたんだよ、ジュンくん」
「………ああっ!お前、あの名前か?!」
「うん、久しぶりだね」
「わ、わりィ、きづかなくて俺…」
「いいの、ジュンくん。だって幼稚園以来だし…忘れても当然「違うんだ!!忘れてたとかじゃなくて!その、お前があんまりにも大人に変わってて気づかなくてさ。」…ジュンくん!」
「お前のこと忘れた日なんて一日もねーよ。
言わせんな、ダァホ」
「ふふ、ジュンくん変わってないね」――とかなんとかなっていくものではないのか。
それをあの人は眉一つ動かさずに帰っていった。
元幼馴染なんていうのが烏滸がましい程に、やつの中では存在が薄かったのかもしれない。
それこそ中学校時代の後輩委員レベルで。
「名前何落ち込んでんのよ」
「ううううう…。」
「泣くなうざい」
「追い討ちをかけにきたのかあんたは」
04.そんなものリアリティ
――――
続きます
主人公は想像力豊かな子
たまに盛りこんでいきたい(´`*)
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