僕と君とではじめよう

 今は隣りじゃないけれど、結構近くに住んでいる。
いきなりだけど、連絡先しらないし、決心が鈍らないうちに言ってしまいたい。

「こ、こんばんわ…」


「あら、名前ちゃんじゃない!久しぶりね
 順平!!降りてきなさい!」


 私が一言も話す間もなく、日向くんが呼ばれてしまった。
いや、間違ってないし、助かるんだけどね。


「なんだよ、母さん。…ん?名前。」

「ど、どうも…」


「順平の部屋でゆっくりしていきなさいね。なんならご飯でも食べていく?」

「あ!いや、大丈夫ですお構いなく」

え、へ、部屋!?

拒否してください、日向くん!あなただけが頼りなの!


「部屋いくぞ。」


う、うそー。


+++

「で、どうしたんだ?」


 久しぶりに来た日向くんの部屋は
バスケットボールがあったり、教科書があったりして、知らない人の部屋のようで緊張した。
 いや、じゃなくて、好きな人の部屋とか緊張するっての。



「そ、そのね」


「おう」


い、言えねーー!
無理無理無理無、




「あーー、えっと…」


「おう」



ひん!




「つまり、ああ、」

「…おう」



ひぃちゃあああん!!




「ああぁ……、えっと」

「……おう」






「そ、その…、〜〜〜っ! ひゅ、日向くんが、」


「…ああ。」



い、いけた!!
この流れで、
あとちょっと!



「す、す、す
 すっとこどっこい、じゃなくて、

 すきやきでもなくて!



 ……すき。なの。」




あぁぁぁぁぁぁ!!
あああぁぁああ!!
いった!!言っちゃった!
こわいよおおお!!
反、応が……!!




「……おー。」



おー。って!!?
どういう意味





私は絶賛混乱中で、
脳内爆発寸前、色んな妄想が浮かんで。
涙が出てくるかと思ったら。


ぽふぽふ


日向くんが頭を撫でた。
頭があついよ。



日向くんの意思を、なんとか知ろうと、目を頑張ってあわせた。

今すぐにでも、逸らしそうだけど。




「…――」




「――、―――。」





「あら〜、順平、やるわねぇ!お母さん嬉しいわ」

「か、母さん!!何来てんだよ!!」


「うふふ、
 あれ、名前ちゃん、固まってるわよ?
 それじゃ、お母さん戻るから。ごゆっくり〜」









「おい、名前、」



「ひゃ、ひゃい、」


「俺の言ったこと、伝わったか?」





間違えようもなく、
しっかりと聞こえた。





―「…俺も」―


―「俺も、好きだ。」―



これは、妄想なんかではなく。




19.僕と君ではじめよう



―――

やっと!

あと一話(`・ω・´)


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