"よかった"
「あ、ラインきてる」
月曜の昼休み、ひぃちゃんと今日も駄弁っていると、笠松さんからラインがきた。
「ひぃちゃん、今日の放課後ちょっと用事あるから帰ってていいよ」
「そのラインの人?…って、男っ!?」
「え、あぁうん。」
いや、勝手に覗かないでいただきたい。
「ちょ、伊月、事件!!名前に男ができてる!」
「いやいや、男って、そんなんじゃないから」
多分。
笠松さんの反応がちょっとアレだったけど。
「名前は?えーっと笠松幸男?どこで知り合ったのよ」「昨日スタバで」
ひぃちゃんに携帯引ったくられた。はよう返してくらさい。
「笠松幸男?
ってあの、海常の?」
「うん。」
そういえばバスケ部ってかいてたなぁ。
+++
「あ、笠松さんこんにちは!」
「お、おう…、」
相変わらず笠松さんは真っ赤である。かわいいよ
「これ、あのあと俺らで買ったんだ。」
そういってくれたのは、ペンギンのストラップとクッキーセットだった。
「こ、こんなもんで悪い。よくわからなくてな。」
「いえ、好みどんぴしゃです!!
ありがとうございます!」
「そうか、そ、れならよかった。
黄瀬が悪かったな。」
「いいえー、バスケ頑張ってくださいね」
「ああ、ありがとう」
笠松さんは、それで帰っていった。横浜からわざわざ来てもらって悪かったなぁ。
あとでクッキー食べよ。
+++
帰ろうとしたら、どっから湧きでてきたのか、ひぃちゃんにひっつかまれて、
またまた体育館に連行された。
無言こわい。
練習が終わると、中へ入っていた。お邪魔します。
「相田!日向くん!ついでに伊月も集合!」
いや、あんたなにいってんすか。
私は端っこで黒子くんと談笑中だ。
「こんな頻繁に来ていいの?」「部活終わってるからいいんじゃないですか?」
あと最近、一年の降旗くんたちとも知り合いになりました。降旗くんの名前しか覚えてないんだ。それが名前クオリティ。
「名前!」
と、ひぃちゃんが呼ぶ。
はいはい、行きますよっと。
これ何?とひぃちゃんに見せられたのはさっきの、笠松さんと話している動画。声までは入らなかったようだ。
ひぃちゃんに促されて、週末の事を話した。
「……よし、あたし帰るわ。
日向くん、わかっているわね?」
日向くんは、はぁ?といいたげな顔だ。
+++
結局、この間のように、日向くんと二人で帰っている。
「…なぁ、笠松さんって、彼氏とかじゃないんだよな?」
「はい?
うん、さっき言った通りだけど…」
なんなんだ皆して
「そうか
………よかった。」
17."よかった"
――――
わたしも笠松のラインほしい
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