ちがうのはきっと

「おはよう、名前

 覚悟はもちろんできてるわよね」


 朝から足がとても重かった。私の席にはひぃちゃんが鎮座しなさっていた。

疑問符のない、その台詞と穏やかな微笑みに私は死を覚悟した。


+++

「山本さん、その辺で許してあげたら?」

 という伊月くんのお言葉によって私の正座はようやく解かれた。ありがとう伊月くん…!


「今日こそ、日向くんに会わせるからね」


 もしも、覚えていなかったら。
 その思いが私の心を重くする。もう、もしもを通りすぎて、絶対覚えていないから、だけど。


「そんな苦虫噛み潰したみたいな顔しなくたって、覚えてるわよ。ばかね。」


「………。」


「まぁ、好きな人に忘れられてたらって思ったら確かにこわいわね。」






「   は?」


「なんだ、苗字さん日向のこと好きだったんだ。」

「   え?」


「俺も協力してあげるよ。……協力して今日、緑茶飲もう、キタコレ!!」


「ちょ、いや、えぇ!?ちがっ、好きとかそんなんじゃ……、ないから」

「真っ赤な顔してよく言うわ。」

「いやいやいや、好きじゃなくても赤くなるでしょ!」


「……思い出よりも大きくて、男の人になった彼に意識してドキッ!」

そんな、

―「あ、あぶねぇ!!」
 先生から預けられたノートで十分に足元が見えなかった、そんなとき、階段に躓いた私の身体は確実に落ちることを覚悟していた。
 けれど、予想していた痛みはなく、あるのは女の子とは違い、きっと日頃の練習から鍛えられたであろうたくましい腕に支えられる感触だった。


 ぎゅっと胸板に抱き寄せられて、耳元に聞こえる声。彼を男として意識するには十分すぎるものだった。

 「大丈夫か?、ったくこんな荷物もって…。ほら、半分かせ」――



そんなことは………ッ!!



「うわ、凄い赤くなった。」
「私のたった一言でこうなるなんて。
 ふっ!チョロいわね。」


そんなことはないんだから……ッ!!


09.ちがうのはきっと
(きっと、恋に落ちることはないのだから。)

――――

いいえ、違うのは否定する言葉です。




なにこれ妄想して一人でドツボるとかチョロすぎるわw

妄想シーン書くの楽しすぎる

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