04

船に揺られ、車に揺られ、着いたそこは田舎だった。
鉄格子なんかはないし、有刺鉄線もみられない。
とりあえずは一安心。

あの黒いイケメンはサブウェイマスターとかいう偉い人らしくて、手が放せないと言われた。その代わりに平駅員さんがここまで連れてきてくれた。

「わざわざ、すいませんでした。」

海を越える程の移動に、申し訳なさが湧いてくる。やっぱりあたしも日本人なわけで。

「いえ!仕事ですから。それに、自分はこの地方に実家があるのでむしろ有り難いです」

後光がさしてみえるよ。
この人もなんだか日本人らしい人である。

「では、ヒカルさんのところへ行きましょうか」

田舎に聳える割と大きな建物に今から行くのだと考えると緊張してきた。

装備は笑顔である。
これさえあれば何とかなると信じていざゆかん


「(ピンポーン)バトルサブウェイのタケルという者ですが、ヒカルさんはいらっしゃいますか?」

《あー、はいはい、ノボリから聞いてるわ。開いてっから入りな》

改まった口調なのに名乗るの名前だけなのかよ
と内心ツッコミ、ラフな相手先の口調にも驚いた。


シックな作りの扉を開けると白衣を着た女の人が奥から手招きしていた。
「いらっしゃい、こっちに来てくれ」
さっきの声はこの人だったようだ。

顔を見る限り、あたしと同じくらいか年下にしかみえない。

駅員さんは自分はこれでと告げると早々と出ていった。ええ、そんな…。





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