02

ドアを抜けるとそこは夢の中でした

なんて言われたってあたしは信じない。
ツイッターでみたなら釣りかと思うし、友達が言ったらあたしは耳鼻科に行こうと思う。

今日は新歓あって、お酒は飲んだけど意識なくなるほどじゃないし、本当に、電車を降りただけ。

そしたらいつもの駅じゃなくて、テレビの中でしか見たことないような生き物がうじゃうじゃいる。
妖怪〇ォッチ?ポケモン?いまどき何が子供たちの間で流行っているかはわからないけれど、
大人も子供もみんな動く鳴くぬいぐるみを持っているのをみて冷や汗がながれた。

なんかやばいって。


「きみ、ダイジョーブ?」

引き攣る頬と青ざめた顔をしたあたしは体調が悪いように思われたらしい。
少し安心してそちらを見ると白くて大きな人がこっちをみていた。

え、駅員さんの制服って白いっけ。
あたしの記憶では東京駅の駅長さんの正装くらいなんですけど。


「おーい、…困ったな。
 もしもし、ノボリ?え、うん、いや、ちょっと来てよ。うん、三番ホーム」


パニックになったあたしは白い人の声に返答するのを忘れていた。

何かいわなきゃと思ったときには黒い人が増えていた。
か、顔、同っ、ふたご…?!

「ちょっと駅員室まで来てください」


口をパクパクとしていたあたしは手を引かれ、駅員室の方へ向かっていた。


あ、人生終わった

逮捕とか、本当に勘弁してよ…!!不審物なんて何ももってないから!!




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