お風呂に無事入り終わってアモスに部屋まで送ってもらったが部屋にはテリーがいなかった。そのことに安堵してベッドに座る。ぐぎゅるる、とお腹から空腹を知らせる音が鳴った。


「おなかへった…」


自分のお腹を抑えて小さく呟いた。テリーがいないのはこの理由か。つまりミレーユもテリーと一緒の時間に食べてる可能性が高い。基本食事は皆で一緒に食べるがごくたまにオレとハッサンが我慢できなくて先に食べるとバラバラに食事となる。今日はハッサンがつまみ食いでもしたのか、それともテリーがオレのいないことを仲間たちに伝えたのかどちらかだろう。今の時間は避けてテリーが部屋に戻ってきたらご飯を食べに行こう。


***


ベッドでうつらうつらと眠りかけていたらテリーが部屋に戻ってきた。


「お前メシは食ったのか」
「たべてない」
「行ってこい」
「うん」


ベッドから飛び降りて部屋から飛び出した。後ろからそういうところも父親そっくりだな、というテリーの声が聞こえた。あぁ、こいつ…まだ勘違いしてる。ミレーユにそんなことを言ってないといいんだけど。そんなことを考えながら1階にある食堂まで全速力で走ってると何か温かくて固い壁にぶつかって尻餅をついた。
一体何が起きたのだろうと痛むお尻を擦りながら見上げるとそこにはいつもより2、3倍も大きく見えるハッサンがいた。


「ん? 大丈夫かぁ?」


ハッサンが手を伸ばしてくれて素直にオレもその手を受け取った。


「………お前、レックか…?」
「え、ちがっ…」
「なんだ、どうしたんだよ。さっきから見かけねぇなと探してたんだよ。何か新しい呪文でも覚えたのか?」


ハッサンになら本当のことを言ってもいいだろうか。やっぱり相棒だし。きっと違うと言っても信じてはもらえそうにない。


「バーバラにやられた」
「なーるほどなぁ…。それにしても小さいのが更に小さくなったな!」


そう言ってハッサンは豪快に笑った。さっきから笑いを我慢してたようでずっと笑っている。目尻に涙まで浮かべて…、さすがにそれは失礼だと思う。オレだって好きで小さくなったわけじゃないんだし。
このことをバラさないで欲しいと言ったらハッサンは快く引き受けてくれたがこれまでのことやテリーの誤解のことを話したら更に笑い出してひいひぃ、言っている。
だから、そこまで笑うことないだろ…。


そこまで笑うことなのか


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