テリーに抱き抱えられたまま宿屋に入り、部屋に入った。そういえば今日の相部屋はテリーだった。
「おい、少しは喋ったらどうだ」
「…………」
「名前も言えないのか。あいつらにそういうことも教育されてないのか…先が思い知らされるな」
「ウィル」
「ん?」
「なまえ、」
適当にウィルと咄嗟に名乗ればテリーは興味なさそげにふぅん、と呟いた。
「風呂入れよ、って言っても一人で入れるか?」
「はいれる」
「そうか、ならいい」
部屋から出て風呂がある1階まで降りる途中の階段で不運なことにアモスと会った。アモスは子供が好きなようで優しい笑みを浮かべて1人ですか?と聞いてきた。その言葉にコクりと頷く。
「えっと、レックさんとテリーさんの部屋から出てきたようですが…」
「バーバラにつれてこられた」
「まさかバーバラさんとレックさんの隠し子!?なわけないですよねぇ。二人とも別々に好きな方がいますもんねぇ。バーバラさんは自覚してるか分かりませんが。それにお二人の年でこんな6、7才ぐらいの子供がいるわけもありませんし」
「…しばらくおせわになるとおもうからよろしくおねがいします」
「礼儀正しいですね!いやー、いい子です!私すごく感激しました!」
アモスに気にいれられたようでいつの間にかアモスに手を繋がれて一緒にいどまじんの歌を歌わされながら脱衣場に行く。
バーバラは明日の服の分やパジャマまで買ってきてくれたようで妙に準備がいいのが何だかなぁ。
脱衣場で服を脱いでアモスと一緒に浴室に入る。
「わあぁ…」
自分の体が小さくなると浴室が広く見えてつい感激の言葉を漏らした。アモスはニコニコとその様子を見ていた。
浴室のシャワー前に設置されている鏡で改めて自分の全身を眺めた。鏡に映る自分は隣のアモスと比べると随分と小さかった。
(…げっ…!やっぱりココも小さくなってる!)
やっぱ何かへこむなぁ。改めてオレは早く元の体に戻りたいと思ったのだった。
やっぱりココも小さくなってる!
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