まず服を買いに行こうと町の服屋に行く。はぐれないように手を繋ごうね、とバーバラがオレの手を繋ぐ。くそぅ…子供扱いしやがって。服屋に入ってキッズコーナーに行くとバーバラが目をきらきら輝かせて服を広げてはオレに見せてくる。
「ね、ね!これ着てみてよ!」
「やだ」
「もー、絶対に似合うのにぃ…」
なんでそんな着ぐるみみたいのを着なきゃいけないんだよ。
「このオーバーオール可愛いぃ!よし、これにしよ!じゃ、試着室にゴー!」
オレの体をよっこらせ、と年寄りくさい台詞を言いながらバーバラが抱き上げて試着室に連れていかれた。
「自分で着替えられる?」
「きがえられるよ…」
「んじゃあ、着替え終わったら見せてね」
試着室のカーテンを閉めて自分の体に申し訳程度に引っ掛けてある服を脱ぐ。バーバラに渡されたスライム模様の下着とシャツとオーバーオールを着るとびっくりするほどサイズが合っていた。
「おわったよ」
「やっぱ似合うね。じゃあ、もうそれは着てこうね。よし、会計済ませてくるから待っててね」
鼻歌を歌いながら若干スキップ気味に会計に行くバーバラを呆れながら見送る。
少しして戻ってきたバーバラとまた手を繋いで宿屋までの道を歩く。バーバラがオレの足の速さに合わせて歩くからなかなか宿屋に辿り着かない。
何だか急に眠くなって目を擦ってるとそれに気付いたバーバラがオレの体を抱き上げた。
「レック眠い?」
「うん…ちょっと、ねむいかも…」
本格的に眠りに落ちるところで聞き覚えのある声にハッと起きた。
「バーバラ」
「あれっ、テリーじゃん。どうしたの?」
「…………………」
テリーが恨めしいものを見るような目付きでオレを見る。オレだからいいものの普通の子供には泣かれるぞ、その顔。
「そのガキはなんだ?」
「えへへ、可愛いでしょ?ねー」
バーバラがオレの頭を優しく撫でるとテリーの目付きが更に悪くなった。絶対に何か勘違いしてるだろ、これ。テリーって意外と思い込み激しいんだよな。
「レックはどこに行った」
「え、えっと…どこだろ…」
バーバラが汗をだらだらと流す。バーバラはすぐに顔に出るタイプだけどテリーには気付かれてないようだ。ていうか、やっぱオレとバーバラの子供だと勘違いされてるようだ。
「あ!あたし、やること思い出しちゃった!ていうことでっ!テリー、この子よろしくね!」
「お、おい!」
テリーが呼びかけるもバーバラはオレをテリーに押し付けてすごい勢いで宿屋に走っていった。
「レックのやつ、姉さんのこと好きとか言ってバーバラに…!よりによって…バーバラに…手をだしたのか…あいつ…!」
あぁ、これ、元に戻ったらボコボコにされるオチだ。
テリーがこういう反応するってことは分かってた、悲しいことに。
その反応、すると思った
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