なんか厨二くさい!だがそこがいいっ!!

「それでお前、メールは読んだのか?」
 白廉が、少しまくれた手袋の端っこを気にしながら話しかけてきた。
 メール?
「あ、うん。昨日は最初にメール送ったあとすぐ寝落ちしちゃって、朝起きてから読んだよ」
 そうだそのメールのお返事してなかった。ここで言っちゃっていいかな。でも周りに人いるから、ここでは話せないか…。それにもうすぐ教室につくし…。
 ぴこーん!
「ねえ白廉っ。放課後時間ある?」
「あ?ああ、あるが」
 よっしゃ!
「じゃあどっか行かない?そのメールのお返事したいし、あと携帯見にいくとか、ついでにお昼ごはんもどっかで一緒に食べようよ」
 今日って昼前に終わるからね。つまり、半日デートってわけ!今思いついたにしてはいい考えでしょ!!
 ねー行こー?行こー?ってだだをこねてたら、わかったわかったと呆れぎみな了解の返事。
 やったー!!!でーと!!!白廉の見えないところでガッツポーズしちゃった。
 そんでニヤニヤふわふわしたまま白廉と別れて教室でHR。僕の席が後ろの方ってのに甘えて、昨日白廉にもらったメールを読み返してた。良い子は真似しちゃダメだよ!
 で、えーっとそのメールの内容なんだけど…説明するのめんどくさい!というわけで原文コピペしちゃうよーそいっ。

差出人:白廉
宛先:沢本南
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Re:
では、いきなりだが本題に入る。
詳しい説明は省くが、俺の仕事は、霊を成仏させること、だ。迷惑をかける悪霊だけでなく、ただふわふわと漂うだけの霊も。先にも話したが、お前も見たであろうあの黒い怪物は悪霊だ。
この能力は、霊を祓う以外にも様々なことができる。例えば、物を体内に収納する、一定以上の距離まで被害が及ばないようにする、などだ。そしてその悪霊を祓う能力を使う時、俺の目は緋色に光る。もしも俺の周囲でなにか理解を超えることが起こり、その時俺の目が緋色ならば、その能力によるものだと思っておいてくれ。
さて、俺の能力も万能なわけじゃない。いろいろと制約はあるが、そのうちの一つが、能力が強すぎることによる弊害だ。能力を制御をするのが難しく、日常でもすこし気を抜くと暴走することも多かった。
しかし、先程はどういうわけか違った。暴れ馬が突然従順な良馬になったかのように、お前のいる寮の横を通った頃から格段に能力が扱いやすくなった。それはほんのさっきまで続き、おかげでこの文章を考えることに集中できた。今はいつもの状態に戻っているが。
俺の推測だが、これにはお前が関係していると思われる。なにか心当たりはないだろうか。あれば教えてほしい。もっとも急な用事ではない。俺のこの推測が正しければお前はもう寝ているだろうから、返事は明日か直接あった時にでも頼む。

 …そんな心当たりなんて、僕が白廉のこと好きってことくらいしか思いつかないけど、そんなこと言えるわけないじゃないですかー!!!


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