僕よりちっちゃいとは思わなかったよ…

 白廉。びゃくれん。白廉びゃくれん白廉。
 あ、どうもおはようございます。入学式の朝のなみちゃんです。
 でなんで八江くんの下の名前をリピートしているのかというと、ここで下の名前で呼んじゃって、ぐぐんっと距離を縮めてしまおうと目論んでいるからであります!っとと。頭の中でも白廉って呼んどかないと。いざってときに八江くんって呼んじゃうぞ!白廉白廉白廉。
 ついでに白廉にもなみちゃんって呼んでもらいたいなぁなんて。うー。いま白廉の声でなみちゃんって呼ばれてるの想像してみたらにやけちゃった。
 入学式の前にみんな教室に集まるんだけど、これ正直めんどくさぁい。本当はここでクラスのメンバーがわかる一大イベントなわけだけど、白廉とは一緒にならないからなー。編入さんはA組だからさ。あと白廉以外はあんまり興味ないっていうか。あ、僕B組だって。やった白廉のお隣のクラス。
 B組に入る前にA組のぞいてみた。編入さんはいろいろ説明があるからって僕らよりも先に集まってるらしい。だからみんなもう座ってるね。
 でえーっと白廉はー…あ白髪見えた!あでも周りの人たちが大きいのと白廉がちっちゃいのとで顔見えない!かわいい!ちっちゃい白廉かわいい!!
 そっから教室入って、先生の紹介とか連絡事項とかとかお話あって、入学式のために体育館に移動。いろいろすっ飛ばしてるねごめんね。でもだってその間白廉には遭遇しなかったんだもん。しょんぼり。
 入学式では出席番号順に並ぶんだ。で僕は「さ」わもとで白廉は「は」ちえでって僕より後ろにいるんだよね白廉。式の間眺めたりできないの。しょんぼりしょんぼり。
 だから、退屈な入学式終わって教室戻る時、ここぞとばかりに捕獲して話しかける!…と思って探してるんだけど、白廉ちっちゃくてみつかんなーい。白い髪だからすぐ見つかるかと思ったんだけどなー。しょんぼりしょんぼりしょんぼり。
 あと他の子達がすっごい話しかけてきてうっとうしい!いや、仲良くしてもらうのは嬉しいよ?嬉しいんだけどね?僕にとっては白廉が最優先なんだよ!!わかる?!白廉どこ?!!
「よう、沢本」
「なにっ」
 後ろから話しかけられてキッと振り返ったら、白い髪。
 ぴゃああ!!!
「はちっっ白廉!!」
 危ない危ない。八江くんって呼んじゃうところだった。あとさっき睨んじゃったのでごめんなさい感まっくす。だってだってまさか白廉の方から話しかけてくれるとは思ってなったもん!
「びゃく…俺を下の名で呼ぶことにしたのか?」
 あ、スルーしてくれなかったかー。んっとーんっとー。
「えーダメ?なみのこともなみちゃんって呼んでいいからさー。びゃくって言うの楽しいんだもん。びゃっびゃっ」
 甘えた顔で言ってみたら、まあいいが…と呆れられた。
 白廉呼び、許可いただきましたあー!
「なら俺もなみと呼ぶことにしようか」
 っあー惜しい。なみちゃんはダメだったかー。まあいいや。うん。なみって呼んでもらえるだけでも、じゅーぶん嬉しいっ!白廉大好き!
 …まあ、本人には言えるはずないんだけどね。
 またちょっとしょぼーんってなったのを紛らわそうと白廉を見たら、眉間にすっごいシワよってた。
 どしたの?
 じぃっと見てると、白廉がちらっと僕らの後ろを見てから僕に話してくれた。
「…お前のことを好きな奴というのは、お前と少し話しをしただけでも睨むほどに性格が悪いのか?」
 あ。
 そっか、僕のせいだ。
 白廉を綾瀬みたいな目にあわせちゃダメだ!
「あー…うん。ごめんね、その通り。だからなみと話さない方がいいかも…」
「あいや、別にお前が遠慮をする必要はないだろうが」
 僕が離れようとしたら、白廉に腕を掴まれた。
 …そんなことされたら、白廉も僕といるの楽しいのかななんて思っちゃうじゃん!
 うーでもダメダメ。白廉に迷惑かけちゃダメ!
「でも、でも例えば、エスカレートしたら、屋上から突き落とされたりするらしいよ?」
 らしいってのは、綾瀬が僕に全力で隠しててわからなかったから。あとで他の人に聞いたの。
 大丈夫なの?って言ったら、昨日と同じようにドヤッてされた。
「もしそうされたら、綺麗に一回転して音もなく着地してやるよ」
 …っああああもう!なんでそんな自信満々なのかっこいい!
 思わずにやけて口元おさえちゃった。怪しまれないように誤魔化そうと、口の横に手を持ってって白廉かっこいー!って言ってみた。したら白廉のドヤッがドヤァに変わった。伝われこの微妙な違い。
 でふざけて、チビのくせにかっこいーって言ってみたら、おでこを手の甲でぺしんってされた。
 いたい!でも幸せ!ふふー。


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