レディー……

 というわけでぶっとんで、三泊四日の合宿でーす!
 合宿っていうか、どっちかってーとキャンプの方が近い感じかもしれない。森の中のキャンプ場に行って、みんなでゲームしたりバーベキューしたりしてわいわいするの。でこれ大体、お泊まり部屋の子と一緒なんだって!てことは四日間白廉とずうぅっと一緒にいられるってこと!!ひゃっほぉい!!!ま、昼間は二人っきりではないんだけどね。
 でもま、そんなに話すことはないかな。ただ僕は勝手にバスの時からきゃっきゃふわふわしてた。上がりすぎて前日夜遅くにテンション高いメールを白廉に送り付けちゃって、叱られたりした。
 一方白廉は、そんなにテンション上がってなかった。むしろいつもよりも低そうだった。時間ギリギリに来たりとか、口数少なかったりとか。しかも、合宿中もどんどん元気なくなってってたみたい。やっぱり、なみと一緒にいることで他の誰かにイジメられちゃうのが怖いのかな?
 でも白廉の警戒とはウラハラに、特になんもなかった。おかしい気がするよね。なんかこの後おっきいしわ寄せが来るような気がして。でも来ないうちは大丈夫!って気にしないようにしてた。だって、なみがキャッキャしてると白廉もつられて笑ってくれるんだもん。
 それでも、合宿三日目の夜には、ちょっとほっとけないくらいしんどそうになってた。ぼーっとしてるわけではないんだけど、とにかくテンションがすごくずぅーんと低い。
「……白廉、なんかもういい加減大丈夫?さっきから、玉子焼き持ったまま停止してるけど。」
「え、あ、ああ…。」
 指摘したら、やっと気づいたように玉子焼きを食べる…かと思いきや、そのままお箸をおいた。
「え?もうごちそうさま?」
「ああ、どうも食欲がなくてな…。」
 一週間一緒にいてわかったけど、意外にも白廉は元々食が細い方らしい。朝は頑張って食べるけど夜抜きくらいはデフォルト。アクティブに動き回るからたくさん食べるイメージあるのにね。でも、その食の細さを知ってる僕からしても、ごちそうさまするには料理が減ってなさすぎる。
「合宿疲れの風邪かなぁ?」
 熱を測ろうと白廉のおでこに手を伸ばしたら、顔を逸らして、そのまま立ち上がった。
「すまん……先生に行って先に部屋で休ませてもらう。残りで好きなものあったら食べていいぞ。」
「え……あっ、送ろっか?!」
「いやいい。流石に部屋までは行けるだろう。」
 確かに、足取りはしっかりしてて危なげない。それでもやっばり…と心配するなみの頭を、立ち上がらせないようにか下に押し付けて、白廉は出てっちゃった。
「なみちゃん?あの白チビどうしたの?」
 白廉が出てったドアを心配で見つめてたら、田淵くんが声をかけてきた。
「うーん、どうしたんだろうね。」
「具合悪いんだって?」
「うん……。」
 なみの頭の中は白廉への心配でいっぱいで、その時の田淵くんの表情に気づけなかった。

「……びゃくれぇん?」
 ご飯終わって連絡もろもろあって、その後速攻で白廉がいるはずのなみ達の部屋に戻ってきた。
「おう、早いな。」
「あ起きてたの?」
「いや、今起きた。」
 その言葉は本当らしく、白廉は布団から起きあがって小さくあくびをした。
「具合悪いの、大丈夫なった?」
「ああ、幾分な。」
 てことは寝不足なのかな?
「白廉枕変わると眠れないタイプなんだね。」
「…ああ、そんなところだな。」
 白廉は立ち上がって軽く体をほぐすと、自分の荷物の方へ行った。
「さて、風呂に行くか。」
「あうん、いってらつしゃーい」
 お風呂は大浴場で、二クラスずつ日替わりで順番に入るの。今日はA組とどっかが最初なのかな。
 そう思って白廉そう返したら、白廉はこてんと首をかしげた。
「今晩はAとBが最初だろう?お前も早く準備をしろ。」
「え?」
 いや嘘まさか、と思ってしおりを確認したら、本当にしょっぱながAとB、つまり白廉とぼく一緒にお風呂だった。
 こ、これはつまり……
「白廉のはだかんぼを合法的に眺め、あわよくばお触りのチャンス……?!」
 V.S.
「女装でなんとかしてた僕のはだかんぼも見られてしまう……?!?!」
 ファイッ!


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