主人公♂:カイオーガ、トドゼルガ、フライゴン、ライボルト、ヤミラミ、キノガッサ
チャンピオン:エアームド、ボスゴドラ、ユレイドル、ネンドール、アーマルド、メタグロス
「……」
ホウエン地方の果て、サイユウシティ。
滝を登り、チャンピオンロードでミツルとの勝負を経てたどり着いた場所は、決戦の地に相応しい風が吹いていた。係員が開けてくれた道を進み、四天王であるあく使いのカゲツ、ゴースト使いのフヨウ、こおり使いのプリム、そしてドラゴン使いのゲンジに勝った先。
(ここが、チャンピオンへと続く道……)
今までよりも一際派手な照明に照らされながら、その一歩一歩を噛み締めるように、ユウキは上っていく。
「ダイゴさん……」
「ようこそ、ユウキくん」
そこには、冒険中から幾度となくサポートしてくれた、ダイゴの姿があった。
「ダイゴさんが、チャンピオンだったんだな…」
「いつきみがここまで来るのか、楽しみにしていたよ」
爽やかな笑顔の裏に見える、絶対的な自信。今まで会っていた彼とはまるで別人かのような、高圧的なオーラさえ感じられた。
「きみは……ポケモンと旅をして、何を見てきた?たくさんのトレーナーと出会って、何を感じた?きみの中に芽生えた何か、その全てをボクにぶつけてほしい!」
さあ、始めよう!!そう言って、ダイゴは華麗なモーションからエアームドを繰り出した。ならばこちらは…。
「じゃあオレは、こいつでいきます!」
ルネシティのジム、みずタイプ相手に大活躍だったライボルト。ぶるぶると鬣を振りかざしながら、スパークを放った。
「うん…、いい感じだね。ユウキくん、やはりきみとなら、いい勝負ができそうだ!」
ポケモンとダイゴ、そして自分の息遣いが聞こえる。それだけ、手に汗握るくらいの激しい戦いが今、目の前で繰り広げられている。トクサネシティでのジム戦もだいぶ苦戦を強いられたが…、それ以上に胸が高鳴る。すぐには終わらせたくない…、ずっとフィールドにいたいような気持ちさえしてくる。
「そろそろ決着つけようか、ユウキくん」
「ええ、望むところです!」
一際優雅に投げられたモンスターボール。そこから飛び出したのは、500kg超の鉄の塊。ピカピカと輝きを放つクリアボディは、ダイゴの趣味そのものだと思った。
「オレはこいつ、フライゴンに託します!」
ハルカからもらったゴーゴーゴーグルをつけて、砂嵐が吹き荒れる中で出会ったナックラー。フライゴンへと進化を遂げると、街を行き来するのに欠かせない存在になった。
「メタグロス、コメットパンチ!」
「フライゴン、じしん!」
コメットパンチの威力が強くて大ダメージを受けた。やはりチャンピオン戦、そう簡単には勝たせてくれない。だからこそ…、越えなきゃならない…!
「コメットパンチ!」「じしん!」
ほぼ相討ちになるような形で倒れ込んだ。程なくしてふらふらっと起き上がったのは、フライゴンだった。
「やった……!勝った……!」
「チャンピオンであるボクが負けるとはね……」
一瞬悔しそうな表情を浮かべたが、すぐにいつもの笑顔で、自分の勝利を誉め称えてくれたダイゴ。珍しい石に興味があって、旅を続けているというが、その人柄と強さは折り紙つき。ユウキの中で、こうしてチャンピオンとしてのダイゴと合間見えたことにより、尊敬できる大人の一人になったのだ。
「さあ!ポケモンリーグを勝ち抜いたきみの名前と、共に戦ったきみのパートナーを、このマシンに記録しよう!」
冒険を始めた頃は、ポケモンリーグチャンピオンになるだなんて想像してもみなかった。だがこうして、幾多の試練を乗り越え、強くなった証を得られるのは、とてもいい気分だった。
「これからも、変わらず強いチャンピオンとして、君臨してください!」
リーグを勝ち抜いても、自分はチャンピオンの座には就かないことに決めた。例え何度倒したとしても…、ダイゴとは、この場所で幾度も語り合いたいと思うから。
-fin.