ミクリ
主人公♀:バシャーモ、レックウザ、サメハダー、マルマイン、キノガッサ、フライゴン
チャンピオン:ホエルオー、ドククラゲ、ルンパッパ、ミロカロス、ナマズン、ギャラドス

「ようこそ、かなこちゃん」

四天王を勝ち抜き、ホウエンリーグで一番高いところまで上った先に待ち受けていたのは、超古代ポケモンの一件でお世話になったミクリだった。

「わたしの名前はミクリ。ルネのジムリーダーをしていたけど、ちょっと理由があってね。今は、師匠のアダンさんにジムのことはお任せしているのさ」

理由がある、思い返せば彼は確かにそう言っていた。なるほど納得しニコリと微笑むと、あの事件のことを懐かしむように目を細めた。

「ルネシティで起こった大事件を、きみが一人で解決したのは、なかなか見事だったよ」

きみ一人の力で解決したわけではなかったな、そう言ってモンスターボールに目線をやるミクリ。その視線に応えるかのように、カタカタを音を立て、今にも飛び出しそうなわくわく感が、ボールから伝わってくる。

「さあ!ホウエンで一番華麗にポケモンと踊れるのは誰なのか!今ここで見せてもらおう!」
「…はい!もちろん!」

空の柱の扉を開けてくれたミクリ。そのことを思い出し、感謝の気持ちが込み上げてくる。それに応えるには、この勝負で勝つしかない!

「ホエルオー、頼んだ!」
「レックウザ、お願い!」

グラードンとカイオーガの戦いを止めてくれたレックウザ。あの後、再び空の柱を訪れた。レックウザが飛び立った衝撃からか…、ところどころひびが入っていて上るのに苦労したが、仲間にしたときの喜びは、何にも変えがたいものがあった。

「レックウザ、げきりん!」
「ホエルオー、ふぶき!」

速さで勝ったレックウザは、ホエルオーに激しいダメージを与える。その威力の凄まじさに圧倒されるも…、最後の最後まで勝敗はわからない。

「ではきみに、わたしの最愛にして最高のパートナーをお見せしよう。ミロカロス!」

アイドルのような輝かしいオーラを放つミクリにぴったりの、すごく美しいポケモンだった。水と氷の技責めに加え、高い防御力と再生力。そして、こちらの体力をがっつり削るべく投下されるどくどく。まさにチャンピオン戦に相応しい対決となった。

「マルマイン、10まんボルト!」
「ミロカロス、なみのり!」

速さで先手を取っても、すぐ回復される。そして耐久力がなければ倒される。それを繰り返したが…、最後に力尽きたのはミロカロスの方だった。

「終わった……!」
「チャンピオンであるわたしを打ち負かすとは…。なんとワンダフル!憎らしいほどエレガント!だけどとってもグロリアス!」
「ミクリさん、ありがとうございました!」

とても個性的な褒め言葉だったが、ミクリは確かに自分というトレーナーを認めてくれた。それが素直に嬉しくて、お礼の言葉も弾んだ。駆けつけてくれたオダマキ博士やユウキを残し、殿堂入りの儀式へと移る。

「ここは…。激しい戦いを勝ち抜いたポケモンを、記録する場所。リーグチャンピオンの栄光を称えるための部屋さ!」

少し埃がかったマシンに、共に戦ったパートナーを記録していく。何とも言えず感慨深くて…、大きく深呼吸をした。チラリとミクリの方に目をやると、心底美しい笑顔で微笑んでくれた。

「また、絶対挑戦しに来ます!」
「きみが来るのを、楽しみに待っているよ」

全てのジムバッジを手にし、最高峰の勝負をした今でも、まだまだ冒険は終わらない。チャンピオンは単なる通過点。次の新たな目標に向けて、かなこは再び歩きだした。

-fin.


bkm
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