「グズマさん……本当に寝てる……」
先日。モーテルにいた時は自分が先に寝てしまったので、グズマの寝顔を拝めなかった。風邪引いててくれてよかった、変な感謝をしながらぼんやり、その姿を眺める。ずっと見ていたかったが、起きてくる前に買ってきた材料でおかゆを作り始めた。
「料理?マオでよかったら、教えちゃうよ!」
最近は密かにアーカラ島のキャプテンであるマオの元で料理を勉強している。それもこれももちろんグズマのためで、同じくキャプテンのスイレンやカキもかなこのことを応援してくれている。
「あのグズマさんとねー、意外だったけど、何となく上手く行く気がするっす!」
「上手くは言えないですけど…、末永くお幸せになさってください」
「おまえなら…、誰とでも上手くいくだろう」
身近な存在からの祝福は嬉しい。ハウはハウで、
「グズマさんと幸せにねー!でも、かなこがグズマさんにいいようにされると思うと、泣けてくる気もするけどー」
「あはは!何それハウ!」
「なんてねー!みんなが幸せだったらおれは、何でもいいんだけどねー」
グラジオもリーリエも応援してくれているし、久しぶりにあったクチナシにも、
「ねえちゃん……荒くれ者とつき合うのは一筋縄じゃいかないかもな。けどよ、ああ見えてグズマは、頼れる男なんじゃねえの」
そう声をかけてもらえて嬉しかった。だからこそ、グズマのために何でもしてあげたいと思うのだ。
「ん………」
カタカタという音で目が覚めた。どうやら来客がいるらしく、カッと目を見開いてその姿を探した。
「かなこ……か……?」
その問いにはい!と返事が返ってきて、安心した。寝ている間もずっと、かなこのことを考えていたから。