02
「久しぶりっす!かなこさん!」
「……え?あっ、スカル団のしたっぱさん!?」

はい、そう答える彼の顔からはマスクが外れていて、スカル団は解散したと聞かされた。そう言えばレインボーロケット団と戦ってた時にグズマとタッグを組んで試合をした時、ロケット団のしたっぱがそんな話をしてたなぁ、なんて思った。

「グズマさんは、元気にしてるんですか?」
「あ、いや、それが……」

どうやらグズマはスカル団を解散させたっきり彼の前には姿を見せていないと言う。無論スカル団のメンバーも就職した者もいればトレーナーになったものもいたり、まだ屋敷に残っていたりと自由で、グズマにはグズマの生き方があることは理解しているから敢えて探さないのだとも言っていた。

「ガオガエン、探しに行っても、いいのかな……?」

彼__グズマとの出会いは唐突だった。ククイ博士に届け物をするために再びのマリエシティに降り立った時。いきなり大柄の男性が現れて、勝手に勝負の流れになって、驚いたのを覚えている。その上凄んでくるもんだから、第一印象は怖い人、だったはずなのに。

“ネクロズマの一件は、ありがとう、ってやつだよな”

ウルトラホールに連れ去られたエーテル財団代表のルザミーネとグズマが戻ってきて、アローラの危機を救ったあの一件から、彼の態度が少しずつ変わってきたのを感じた。それと同時に怖い、この人を倒さなきゃ…からこの人のことをもっと知りたい、という不思議な気持ちになっていったのは記憶に新しい。

「会いたいなぁ……」

その想いはロケット団の城で、彼が助けに来てくれたことで加速した。

“大事なものに手をだして、ただじゃあおかないぜ……!!”

良く良く考えればルザミーネを助けるためにやって来たのだ、大事な、とは彼女のことなのだろう。だが、自分をかばってくれた時の彼の姿は、あまりにもカッコよく見えたから。次の日からの目標は、グズマを探す旅に決まった。


bkm
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