「かなこ、ご飯できたわよ!」
かなこと呼ばれた少女はカントーから引っ越してきて早1年、アローラ地方を巡りポケモンやたくさんの人々と出会い、普通に生きていてはできない経験をしてきた。チャンピオンとなり、異国の地方から来たというレインボーロケット団を退けた今、妙な達成感に襲われていた。
「はぁーい」
軽く返事をすると、今日もまた、変わらぬ日々がやってくるのだと退屈そうに微笑んだ。
「かなこー!後でポケモンリーグに来てねー!」
地道にポケモン集めでもしよう、そう思っていたかなこの元に友達でもありライバルでもあるハウが訪ねてきた。何でもチャンピオンになっただけでなく、挑戦者と戦う防衛戦なるものがあるらしく、戦いたいとのことだった。
「うん!いいよ!」
久しぶりにガオガエンをはじめとした旅仲間を呼び出すと、特訓に励むのだった。
「グズマさん、何してるのかなぁ……」
チャンピオンである自分と戦いたいというトレーナーはそんなに多くはない。そのくらいかなこが強すぎる…のだが、おかげさまでファンが増えた。今では試合をしていると聞くと外にファンが出待ちをしているほどである。その大概が男性。
「かなこさん!陰ながら応援してます!
」
「ああ…やはりかなこさんは可愛くて強い……わたしの好みだ……」
「は、はぁ……」
中には良くわからないファンもいるので下手なことは言えないなぁと幼いながらに思っているとふと、ある服の少年が目にとまった。