05
「おはようございます…」

今日はやけに眠い…自業自得なんだけど。隣で軽く伸びをしているイケメン…もといダイゴさんは涼しい顔をしてて。どうしたの?と顔を覗き込まれるとまた、顔が熱くなるのを感じた。

「今日は、ゆっくり歩いて移動しようか」
「…はい」

ダイゴさんは私の様子に気づいているのか何なのか、そう提案してきた。ありがたいけど…きっと他の人にもこうなんだろうな、なんて考えるとまた、少し胸がざわついた。

「まずはパルファム宮殿かな…」

散歩するにはちょうどいいよね、などと少しご機嫌なダイゴさんはまた変な感じ。珍しい石でもあるんですか?と思わず聞き返してしまった。スマートにお金を払ってくれるのを見届けると、意外にも広いことに驚く。色々な像が目にとまり…、どれも素晴らしいものだった。

「ミロカロス…ミクリを思い出すね」

ふとダイゴさんがそう呟く。最初に見たよね…?と思うも真剣な横顔を見てしまっては、何も言えない。そうですね…と軽く相槌を打つと、表で写真を撮ろうか!って興奮気味に言うダイゴさん。

「せっかくですしね!撮ってもらいましょう!」

二人で門の前に並んで、写真を撮る。これも1つの思い出…かな、とホウエンではできなかった事をしているのが嬉しかった。しばらく道なりに歩くと、洞窟が見えてきて、上の方の入口に向かおうとすると…。

「…こっち」

軽く手を引かれて、ちょっとドキッとしてしまう。そんな事に全く気づいていないように歩いていくダイゴさん。昨日はバカにしてたのに…、何でこんなドキドキしちゃうの…?不思議な気持ちの変化に、旅には何かあるな、なんて思った。

洞窟を抜けると、プラターヌ博士の研究所にもいたジーナさんとルクシオさんと再会。ちょっとだけ話して、お別れした。言い忘れてたけど、ダイゴさん…二人が現れた途端、さり気なく手を離しちゃったよ。ホウエン地方で見れるポケモンも多いけど、珍しいポケモンもいて、ちょうど持っていたモンスターボールで捕まえたりして、少しはしゃいじゃった。その様子をダイゴさんは微笑ましく見守っててくれた。

「…でも、元気になって良かったよ。朝は何だか、疲れているようだったからね」

笑顔でそう言われて…、すいません、としか言えなかった。でもまあ、ダイゴさんのその笑顔が見れるなら…何でもいいかも。意外にも時間がかかってしまって、今日はコウジンタウンで休もうか、という話になる。ダイゴさんは明日、輝きの洞窟に行きたいんだよね、とこっちに来て一番の笑顔を見せた。


bkm
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