「特に、奥の部屋はほぼ貸切だからね。宿代2年分払った少年がいてさあ」
「へえ……」
「だけど、最近はしぶいね……」
「しぶい、とは……?」
「まあ、スカル団の仕事じゃあ、ろくなご飯も食えないよ」
え……?もしかしてグラジオ、ここに住んでるの……?外に出た瞬間、見覚えのある姿を追いかけて声をかけた……けど。
「……グラジオ!」
「出ていきな」
「…………っ」
その瞳は何だか、攻撃されているように強くて……。ロイヤルドームで勝負して、ちょっとだけ仲良くなれたかもしれないって思ったの、あたしだけなの……?
「かなこの今日の気分はどうロト?」
「さみしいロト……」
「ウワーん!どうしたのロト!ポケモンもボクもついてるカラ、元気を出してロ……!」
ロトムが気を遣って話しかけてくれたのに、悪いことしちゃったかな……。ポケモンを鍛えて、明日の試練に備えて、その日は早めに眠りについた。
*マオの試練*
(難しい……)
ヴェラ火山公園で出会ったカラカラが、ガラガラに進化して。アクロマさんにもらった技マシンでニトロチャージを覚えさせて、Z技の練習をしているところで。
(カキさんみたいに、カッコよくできないんだよね……)
それでも何とか形にして、マオさんの待つ、シェードジャングルへ向かった。
「まいど!」
マオさんは相変わらず元気で、可愛い人だった。マオの試練始める?そう言われて頷いたら、
「あなたとポケモン……やっぱり、素材のよさがキラリ光ってる!」
笑顔でそう言ってくれた。シェードジャングルでの試練は、マオさんの特別料理、スーパーマオスペシャルを作るための材料を3つ集めること!マオさんがそれぞれの食材が採れる場所を案内してくれて。