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「バンバドロ、こやつらを踏むのか?」

勝負に勝ったのにハプウさん、さらにダメージを与えようとするなんて、若いのに貫禄あるなぁ。バンバドロと呼ばれた大きなポケモンが頷くと、

「ようし、やれ。後できちんと洗うでな」

そう言われてはさすがのスカル団もお手上げみたいで、本当に覚えておけよ!!って悪役みたいなセリフを言いながら去っていった。囚われていたポケモンを解放すると、ハプウさんはあたしに向き直った。

「そなたのお陰じゃ。名前を、何と言うのだ?」
「かなこです」
「かなこ、か。よい名前じゃな!それに、何といっても、心根のよい戦い方じゃ!」

勝負の時は迫力あったけど、笑うと可愛いハプウさん。あたしたちと同じ…なのかはわからないけど、目的のために島巡りをしているみたいで。

「また、どこかで会おうぞ!助けてくれたお礼もしたいしな」
「……はい!もちろん!」

そうだ、ってハプウさんからもバトルロイヤルを勧められた。このすぐ近くみたいだから、寄ってみよう!

「ムーランド、もうちょっとだけお願いね!」

ケンタロスの乗り心地も悪くないけど、ムーランドのゆったり感も好きなんだよね。ゆらゆら揺られながら、ロイヤルアベニューに着いた。

「わぁ……!広ーい!」

ポケモンセンターでみんなを休ませて、お勧めされたロイヤルドームに向かう。

「……やはり、何かあればロイヤルドームに来てしまうよな。ヌル……全てをなぎ倒し……、守れる強さを得よう……」

あれ?グラジオ……?目の前にあの時の人、つまり、スカル団の用心棒がいて。何でこんなところに……?驚いてたら、

「ケテ〜!かなこ!こないだのおっかないやつが、ロイヤルドームに入っていったロ!」
「うん、そうだね……」

よくわかんないけど、行ってみよう。ドーム内は独特の熱気で溢れてて、何だかわくわくしてきた……!


bkm
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